債券相場は堅調、現物の好需給や株安支え-長期金利3月以来の低水準

債券相場は堅調(利回りは低下)。 前週後半に現物買いが入った地合いを引き継いだほか、株価が続落した ことも先物市場を中心に買い材料視された。投資家からの取引は総じて 控えられたものの、10年債利回りは3月下旬以来の低水準に達した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、前週までに買い進まれた後だけに現物、先物市場とも積極的な買 いがあるというより、売るに売れない相場といった感じとしたうえで、 「株価が下げたぶんだけ先物主導で堅調に推移した」という。

東京先物市場の中心限月9月物は、前週末比5銭高い138円49銭 で始まり、開始後こそ2銭安の138円42銭まで下げた。しかし、すぐ に買いが先行すると日中は138円50銭台での推移が続き、午後には一 時138円60銭まで上昇する場面もあった。結局は14銭高の138円58 銭で引けた。日中売買高は1兆986億円と、中心限月ベースでは4月 20日以来の低水準にとどまった。

3日の米国市場が休場だったためこの日は材料難となるなか、日経 平均株価が続落したこともあって債券先物には買いが優勢となった。R BS証券の市川達夫チーフストラテジストは、国内で弱めの景気指標が 続いたほか、10年債入札も無事にこなすなど外部環境は良好だと分析。 「右肩上がりが続く先物市場では売りづらさが強まっており、株安も相 まって堅調ぶりを維持する展開だった」と指摘した。

みずほ証券の三浦哲也チーフマーケットアナリストは、「債券が先 週に買われた勢いを考えると、今週も金利は低下方向との議論がなされ やすい」として、足元の相場の地合いはなお強いとの認識を示した。

一方、先物相場は6月半ばから9連騰した後に、1日の下げを挟ん でこの日までに7連騰した。この3週間の上昇幅は実に3円にも及んだ こともあって、急激な相場上昇への警戒感も高まっている。このため、 日経平均が下げ幅を拡大させても9月物の取引は盛り上がらなかった。

新発10年債利回りは1.305%

現物債市場で新発10年物の302回債利回りは、前週末比0.5ベー シスポイント(bp)低い1.31%で始まり、その後しばらく1.31%で横ば い推移が続いた。午後に入って再び買いが優勢となると1.305%をつけ、 新発10年債利回りとして3月下旬以来の低い水準を更新した。午後4 時7分現在も1.305%で取引されている。

8日に発表される5月の機械受注は小幅の増加にとどまるとみられ るなど、内外景気に対する楽観見通しが後退しつつある。BNPパリバ 証券の山脇貴史シニア債券ストラテジストは、売買高が限定的ながらも 売りが乏しい状況からは、債券を買えていない投資家が多い環境がうか がえると指摘。「10年債利回りは節目の1.3%に接近しており、次の目 標は1.25%と、1.2%台が意識される」との見方だ。

米国では今週7日に3年債(350億ドル)、8日に10年債(190億 ドル)、9日には30年債(110億ドル)と国債入札が続くため、今週 は米国の長期金利の動向にも注目が集まりそう。RBS証の市川氏は、 米国でも雇用統計からは景気回復に不透明感が強まっており、「米債市 場は押し目買い意欲が強い展開ではないか」と予想していた。

ただ、中期ゾーンに追随して10年債についても今年度に入って以 降の最低利回りを更新するなど、最近の急ピッチの金利低下を警戒する 見方も多い。みずほ証の三浦氏は、日銀が昨年10月末に利下げを実施 して以降でみると、10年債の終値は1.25-1.30%の水準が最も多いと いい、「投資家のコストが集中するレンジに差し掛かる1.2%台で、い ったんは利益確定売りに動いてもよいのではないか」と読む。

あす40年債入札、利率は2.2%据え置き

あす7日には40年利付国債(7月債)の利回り競争入札が実施さ れる。今回は5月に入札された40年物の2回債と銘柄統合するリオー プン発行で、表面利率(クーポン)は2.2%に据え置かれる。

今回から40年債の発行額は1000億円増額の3000億円となるもの の、入札に関して市場では無難との見方が有力だ。三菱UFJ証券の桑 原浩人チーフクオンツアナリストは、6月半ば以降に長期金利が大幅に 低下したことから40年ゾーンの割高さは弱まりつつあるといい、「先 週の10年債入札がひとまず無難だったことや、40年債入札がイールド ダッチ方式であることから無難となりそう」と予想している。

40年債利回りは今年はじめには2.1%中心にもみ合いが続いた。4 月に入ると2.2%台に水準を切り上げ、6月には一時2.355%まで上昇 したが、その後は再び2.2%台に戻しての推移だ。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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