LBO業界の標準手数料2%は消滅へ-年金基金など下げ要求

レバレッジド・バイアウト(LB O、買収先の資産を担保にした資金借り入れによる買収)を手掛ける 投資会社にとって、1970年代以降の業界標準だった2%の運用手数 料は消える方向にある。

米最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金 (カルパース)やプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資フ ァンドの欧州最大の後ろ盾であるオランダのアルプインベスト・パー トナーズ、LBOファンドに100億ドル(約9500億円)超投資して いる米ハーバーベスト・パートナーズが手数料引き下げを要求してい るためだ。

ハーバーベストのマネジングディレクター、ジョージ・R・アン ソン氏は「この市場で、PE会社からもっと良い条件を引き出すこと ができるはずだ」と指摘する。

英調査会社プレキンによれば、投資会社の昨年の保有資産価値は 31%減少と、同社がデータ収集を開始した1980年代以降で最大の落 ち込みを記録した。市場低迷を受け、今年に入ってからのLBO案件 は75%減少。投資家は、プラスの運用成績を求められることなく資産 運用会社が恩恵を受ける報酬体系に異議を唱えざるを得ない状況だ。

アルプインベストのチーフエコノミスト、ピーター・コーネリウ ス氏は先週のインタビューで、「われわれは手数料の引き下げを望んで いる。パフォーマンスに関係ない手数料については特にそうだ」と説 明した。

債券ファンドの手数料

投資家にとっては昨年、債券ファンド最大手、米パシフィック・ インベストメント・マネジメント(PIMCO)の「トータル・リタ ーン・ファンド」に投資していた方が有利だった。4.8%上昇した同 ファンドの運用手数料はわずか0.25%だった。

ブルームバーグのデータによると、今年1-6月(上期)のLB O案件は370億ドル相当にとどまっており、過去最高を記録した2007 年上期(4820億ドル)に比べると急減している。株価下落でLBO 会社は投資評価損を計上し、投資家は少なくとも5年ぶりに含み損を 抱えた。

プレキンによると、業界の運用手数料平均は2008年まで約2% に維持されていた。今年、新規資金の運用を開始する企業は平均1.8% の手数料を求めている。10億ドル以上の運用資金提供については

1.65%付近だという。

LBO会社は受け取った運用手数料で運営経費を賄う。このほか、 通常は投資収益の2割を徴収する。

PE投資会社アルケミー・パートナーズの創業者、ジョン・モー ルトン氏は電話インタビューで、「何年間も投資家は運用手数料の引き 下げを全く考えていなかったが、今やそれが変わりつつある」と語っ た。

LBOファンドに投資する英コラーキャピタルの4月の調査によ ると、欧州と北米の投資家の8割は向こう2年間に、自らに有利な条 件への変更を要求する方針だ。

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