【今週の債券】底堅い展開、余剰資金流入が継続-長期金利1.3%試す

今週の債券相場は底堅い展開が見込 まれる。前週は投資家からの買いが予想以上に増えて相場は大幅に上昇 した。国債増発による需給悪化懸念や金利水準の低さを警戒する見方も 出ているが、運用難を背景に余剰資金が債券市場に流入する状況が継続 する可能性が高い。

三井住友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、今週の相場 について、「底堅い展開。国内外の悪材料をこなし、投資家は押し目待 ちで様子見していられなくなり、買いがあぶり出された結果が、今の水 準。日銀の出口政策までの時間軸を考えても、利息収益を確保していか ないといけない。株の上値が重く、積極的に売りづらい」と話した。

今週の新発10年債利回りについて、3日夕までに市場参加者3人 に聞いたところ、全体の予想レンジは1.29%から1.40%となった。予 想の下限となる1.29%まで低下すれば、3月下旬以来の1.3%割れとな る。前週末の終値は1.315%だった。

前週の債券相場は上昇した。企業短期経済観測調査(日銀短観)や 6月の米雇用統計で、今後の景気回復に不透明感が強まり、今年度補正 予算成立で国債が増発される入札が7月から始まることを警戒して、債 券を十分に購入していなかった投資家の買いが膨らんだ。みずほインベ スターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミストは、「相場が下 がるのを待っていた国内投資家は中短期ゾーン中心の投資姿勢を取って いたが、需給への警戒感が緩み始めると積み上がっていた待機資金が一 気に長期ゾーンへと流入した」と説明した。

こうした相場の基調について、落合氏は「多少はその流れを引き継 ぐ」とみるが、急激な金利低下で売りも意識され始めている。日興シテ ィグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「1.3%を割り込 みそうな勢いで、いったんはそうなる場面がありそう」と述べつつも、 「さすがに1.3%前後の水準では警戒感が強まる」との見方を示した。

一方、8日に5月の機械受注が発表される。船舶・電力を除く民需 は、ブルームバーグ調査で前月比2.4%増加する見通し。3カ月ぶりの 増加となるが、日銀短観でも示されたように設備投資計画は、今年度は 大幅に落ち込んでおり、機械受注も一進一退しながら、当面は弱含みと なる可能性が高い。岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は 「設備投資の力強さが示されないとみており、金利が大きく上昇に転じ る展開は予想していない」と言う。

40年債入札に注目、2回債の追加発行

需給面では、7日に実施される40年利付国債の利回り競争入札が 注目だ。今回は5月に発行された2回債と銘柄統合されるリオープン発 行となり、表面利率(クーポン)は2.2%。発行額は前回債から1000 億円増額の3000億円程度。

日興シティグループ証の佐野氏は、「増発が始まって最初の超長期 債の入札になる。1000億円増えるが、総額は3000億円と少額。弱めに 推移する場面があっても、利回り曲線全体に強い影響を与えることはな いだろう」とみている。

市場参加者の予想レンジとコメント

3日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の通 り。先物は中心限月9月物、新発10年国債利回りは301回債。

◎岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長

先物9月物137円70銭-138円70銭

新発10年債利回り=1.30%-1.40%

「長期金利の低下が一服しそう。景気に対する楽観見通しが内外市 場で後退しつつあり、金利水準が一段と低下する余地はあろうが、短期 的に買い進まれた反動が出るとみている。一方、40年債入札は無難に こなせる見通しであるほか、機械受注では設備投資の力強さが示されな いとみており、金利が大きく上昇に転じる展開は予想していない」

◎三井住友海上火災保険投資部・高野徳義グループ長

先物9月物138円00銭-139円00銭

新発10年債利回り=1.29%-1.39%

「相場は底堅い。国内外の悪材料をこなし、押し目待ちで様子見し ていられなくなり、買いがあぶり出された結果が今の水準。日銀の出口 政策までの時間軸を考えても利息収益を確保していかないといけない。 株の上値が重く、積極的には売りづらい。ただ、昨年度末の相場水準に 戻ったため、追いかけて買うには慎重になる局面でもある」

◎シュローダー証券投信投資顧問・塚谷厳治運用部債券チームヘッド

先物9月物137円80銭-138円80銭

新発10年債利回り=1.30%-1.40%

「ここまで上昇してきたので調整か。中期的には金利低下とみてい るが、目先は売られてもおかしくない。株価や景気見通し次第だろう。 日銀は景気底入れと言いながら先行き慎重に見ている。世銀の経済見通 し下方修正が影響したので、国際通貨基金(IMF)の見通しも注目さ れる。40年債入札は生保を中心に需要があるので心配していない」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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