NY外為:ドルが上昇、米雇用悪化で高利資産の需要後退

ニューヨーク外国為替市場ではド ルと円が対ユーロで上昇。米労働省が発表した6月の雇用統計で、非 農業部門雇用者数が予想以上に減少したことが示されたことを受け、 リスク回避志向が高まり高利回り資産への需要が後退した。

ユーロは、欧州中央銀行(ECB )のトリシェ総裁が政策決定 後の記者会見で記録的な低水準にある1%の政策金利は「適正」だと 述べた後に、対ドルで下げ幅を拡大した。朝方からドルは対ユーロで 上昇。中国外務省高官がドル相場の安定維持をあらためて呼び掛ける とともに、来週の主要8カ国(G8)サミットで同国が新しい準備通 貨の創設についての協議を求めるとの観測を打ち消したことに反応し た。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州在勤)は「こうした内容の統計発表後は、バイア スとしてはドル高だ」と指摘。「投資家らは今朝の目覚めとともに、 夏なのに状況は改善していないことを実感した」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ドルは対ユーロで1% 高 の1ユーロ=1.4001ドル(前日は同1.4142ドル)。ドルは対円で

0.8%安の1ドル=95円90銭(前日は同96円65銭)。ユーロは対 円で1.8%安の1ユーロ=134円28銭(前日は同136円70銭)。

米労働省発表の雇用統計によると、6月の非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比46万7000人減少。マイナ ス幅はブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想 の中 央値(36万7000人減少)を大きく上回った。5月は32万2000人 減と、速報値の34万5000人減から修正。失業率は9.5%に上昇し た。

ドル・インデックス

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル・ インデックスは6月5日、5月の米雇用統計で雇用者の減 少ペースが緩やかになったことを受け1.6%上昇と4カ月ぶりの大幅 高を記録。同インデックスはこの日0.8%上げ1週間ぶり以上の上昇 率となった。

ドルは朝方から対ユーロで値上がり。中国外務省高官の何亜非氏 が北京でドル相場の「安定維持」をあらためて呼び掛け、来週の主要 8カ国(G8)サミットで基軸通貨であるドルの地位に挑むとする中 国の動向については「知らない」と発言したことが好感された。

ドルは対ユーロで前日、1ユーロ=1.42ドル水準まで下落。ロ イター通信がG8の関係者の話を基に、中国が来週のサミットで新た な準備通貨の提案を協議するよう求めたと報じたことから下げ幅を拡 大した。中国は米国債の最大の保有国で、保有規模は4月時点7635 億ドル。

欧州中央銀行

ECBはこの日、定例政策委員会で政策金利を1%に据え置いた。 先週は初の1年物資金の入札で市中銀行に4420億ユーロ(約60兆 1300億円)を融資。企業や一般世帯への与信拡大が狙い。ECBは さらに600億ユーロ相当のカバードボンド購入も今月から開始する。

ウエストパック銀の通貨ストラテジスト、ローレン・ロスボロー 氏(ロンドン在勤)は、ユーロは9月末までに1ユーロ=1.33ドル まで下落すると予想。世界で発表される経済統計が、景気回復は弱い ものになるとの主張を補強すると指摘する。

ロスボロー氏は、ユーロ圏は来年プラス成長にはならないとする ウエストパックの見通しを基に「ユーロ安は誰もが知るところだ」と 述べ、「急速な回復や力強い回復にはならないということだ」付け加 えた。

円は対ドルで週間ベースでは0.7%安。高い利回りを求めて日本 国内の資金が海外に流出しているとの観測が高まったことが背景。

日本人が購入

財務省が発表した対外対内証券売買統計によると、27日まで1 週間の国内投資家による海外の公社債購入額が4年ぶりの高水準に拡 大。1兆5300億円の買い越しとなった。

大和住銀投信投資顧問の石出好貞ファンドマネジャーは、特に個 人投資家が利回りの高い債券の購入を増やしていると指摘。こうした 投資家らは海外資産への投資により安心感を抱いておりこのトレンド は7-9月(第3四半期)も継続すると語った。

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