【経済コラム】「夢のカリフォルニア」州債投資は冒険か-クイン

【コラムニスト:Jane Bryant Quinn】

7月1日(ブルームバーグ):カリフォルニア・ドリーミング(夢の カリフォルニア)の時間だ-。カリフォルニア州は財政赤字を埋め合わ せることができるか、州債への投資はイチかバチかの冒険なのか。

ミュニシパル・マーケット・アドバイザー(マサチューセッツ州 コンコード)のマネジングディレクター、マット・ファビアン氏の答 えは、「イエス」だ。カリフォルニア州では新たな財政年度が始まる 7月1日を前に予算の成立が難航し、非課税の州債の利回りが上昇。 州民は中期の一般公債で5%強、長期債で6.2%の利回りを得ること ができる。また、各州の債券に分散投資する米地方債ファンドが数多 く存在し、居住者でなくても投資が可能だろう。

ベアード・インターミディエート・ミュニシパル・ボンド・ファ ンドのシニア・ポートフォリオマネジャー、ウォレン・ピアソン氏(ウ ィスコンシン州ミルウォーキー在勤)は、米国内で財政が最も悪化し ているカリフォルニア州への投資を敬遠する。同州の格付けが「A」か ら「BBB」に引き下げられ、利回りが一段と上昇する恐れがあるとみ ているためだ。

カリフォルニア州の混乱は、それが債券投資家にとって何を意味 するかという問題を突き付けている。「AA」格付けで発行体の課税 権を裏付けとする10年物一般公債の平均利回りは4%と、6カ月前の 5%から低下している。5%の利回りが得られるのはほとんどの場合、 格付けが「A」以下か、格付けが全く付与されていない債券だけだ。

低い格付けはリスクも高く、多くの場合リスクの分散を図るため、 地方債投資信託を購入することになる。地方債のデフォルト(債務不 履行)は昨年、記録的な水準に増加し、再び増えかねない。ベアード の最高投資責任者(CIO)は、格下げがより日常的に起こる事態を 心配する必要があると指摘する。

根拠を欠く格付け

格付け会社が債券の格付けを「A」から「A-」ないし「B BB」に引き下げれば、価格は下落し、格付け「A」でもそれを支え る根拠が弱い類似の債券に影響が出る。格下げされても表面金利の支 払いは維持されるが、売る必要がある場合には損失が出る。投資適格 級の格付けとしては最も低い「BBB-」を下回れば、価格は 一段安となる。

地方債市場における格下げの流れはまだ始まったばかりだ。不測 の事態に備える資金を使い切った多くの州が、法人売り上げや固定資産 税収入の減少に既に苦しむ市町村への補助金を削減している。センタ ー・オン・バジェット・アンド・ポリシー・プライオリティーズの報告 によれば、米国内の約48州が財政の逼迫(ひっぱく)に直面し、こう した状況は今後2年続く公算が大きい。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今年 1-3月(第1四半期)だけで327の地方債を格下げし、この数は 2008年全体(264)を既に上回る。S&Pはイリノイ州の格付けを 「AA」から「AA-」に引き下げ、ロードアイランド(「AA」)、 フロリダ(「AAA」)両州については、格下げ方向での見直しを意味 するクレジット・ウオッチに掲載した。

情報開示めぐる疑心暗鬼

格付け会社が自治体の財政逼迫をめぐる最新情勢や、格付けを付 与するための十分な情報を把握していると誰が信じるだろうか。地方 自治体は、企業と同じ財務情報の開示ルールを義務付けられているわ けではなく、悪い情報の公表が不十分であることはよく知られている。

さて、債券投資家が今日、最も重要視すべきことは何だろうか。 ファビアン氏は、投資利益を重視するなら、低い格付けの債券への投 資を少なくとも一部組み入れた投資信託を探すべきだと勧める。投資 適格級の下限である「A」と「BBB」の債券に投資するいわゆる「ク オリティーファンド」なら、ハイイールド・ファンドよりもリスクは 小さく、若干高めの利益が得られる。

ファビアン氏はまた、債券の投資資金の20%を高利回り債ファン ドに割り当てるよう推奨している。モーニングスターによれば、過去1 年間の利回りは平均6.2%と、クオリティーファンドの4.2%を上回っ ている。

高利回り債の価格は年初来、15.6%上昇しているが、市場環境が 悪ければ20%以上の急落もあり得る。こうしたボラティリティと付き 合う余裕が必要だ。そのちょっとした点を大目に見ることができれば、 比較的格付けの高い債券に投資するファンドにとどまるよりも、数年 後には大きな利益が得られるだろう。

個別の債券の購入は常に問題だ。個人投資家は機関投資家よりも 払う手数料が多く、償還前に想定外の売却の必要が生じた場合には損 失が生じる。株式投資サイドでリスクテークし、債券は安全第一で行 くべきだ。

(ジェーン・ブライアント・クイン)

(ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピ ーの取締役を務めるジェーン・ブライアント・クイン氏は、ブルーム バーグ・ニュースのコラムニストです。また、このコラムの内容は同 氏自身の見解です)

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