債券先物が小幅高、10年債入札無難で安心感-短中期債への買い続く

債券市場では先物相場が小幅高(利 回りは低下)。増発後で最初の10年債入札が無難な結果となったこと で買い安心感が広がったほか、短中期債が引き続き堅調となり、相場を 支えた。半面、超長期や長期債は軟調で、利回り曲線は傾斜化した。

JPモルガン証券シニア債券ストラテジストの徳勝礼子氏は、「現 在の景況感からみて、10年債入札は、水準自体は割高な感じだったが、 増発に備えてポジション(持ち高)を軽くしていた可能性があり、無事 通過した」と述べた。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比4銭安の138円14銭で 始まった。その後は入札を控えて弱含みに推移し、一時は15銭安の 138円3銭まで下げた。午後の取引終盤には買いが優勢になって、138 円24銭まで上昇した。結局は2銭高の138円20銭で終了した。日中売 買高は2兆2715億円。

10年債利回りは1.35%

現物債市場で、10年物の301回債利回りは前日比変わらずの

1.34%で取引を開始した。その後、徐々に水準を切り上げ、1.5ベーシ スポイント(bp)高い1.355%まで上昇した。午後4時8分時点では1 bp高い1.35%で推移している。

ドイツ証券チーフ金利ストラテジストの山下周氏は、「午後の取引 で先物相場が底堅く推移した動きからは、投資家の買いが入っているこ ともうかがえる」と説明。今後については、「買い遅れている投資家の 買いで、10年債利回りは1.3%台後半中心か。ただ、1.3%台前半に向 けて買い進まれても、市場で想定されるレンジの下限に近づくため、そ こでは戻り売り圧力が強まる」とみている。

一方、中期債が堅調。運用難の投資家が価格変動リスクの小さい短 いゾーンに買いを入れているもようだ。新発2年債利回りは一時1.5bp 低い0.275%まで低下し、2006年1月以来の低い水準をつけた。新発5 年債利回りは1bp低い0.69%に低下、6月30日以来の0.7%割れで推 移している。

今晩に米雇用統計や欧州中央銀行(ECB)理事会などのイベント を控えて、慎重姿勢との指摘もあった。ブルームバーグ・ニュース調査 によると、今晩発表される6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前 月比36万5000人減少が予想されている。5月は34万5000人減少だっ た。またECBは政策金利を過去最低の1%で据え置く見通し。

10年債入札、最低価格は予想上回る

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)1.4%の10年利付国 債(302回債、7月発行)の入札結果は、最低落札価格が100円37銭、 平均落札価格は100円40銭となった。

最低価格は事前の市場予想(100円36銭)を1銭上回り、最低と 平均価格の格差(テール)は前回債の6銭から3銭に縮小した。一方、 応札倍率は2.26倍となり、前回債の3.37倍から低下した。

モルガン・スタンレー証券債券ストラテジストの福田範行氏は、 「これまで債券相場の上昇が急だったので投資家が買うのか不安だった が、現状の金利水準を受け入れた感じ。短中期債の金利が下がっている ので、10年債の水準もこの程度ではないか」と述べた。

日本相互証券によると、この日入札された10年債(302回債)の 利回りは、業者間取引において、1.36%で寄り付いた。その後は1.35-

1.365%で推移し、午後3時40分前後は1.355%で取引されている。

政府の経済対策の裏付けとなる今年度補正予算成立で、約17兆円 の国債が追加発行される。7月発行分から1回あたりの入札で、中期債 は従来よりも3000億-4000億円、長期や超長期債は1000億-2000億円 と各年限ともに満遍なく増発される。

--取材協力:赤間信行 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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