NY外為:ドルと円下落、米・中の製造業好調で株に資金

ニューヨーク外国為替市場では ドルと円がほとんどの主要通貨に対して下落。米国と中国で発表さ れた製造業関連の指標が世界的なリセッション(景気後退)が和ら いでいることを示唆する内容となり、新興国市場株を含めた株式に 資金が流れた。

ブラジル・レアルは対ドルで上昇。前日は15年前の同通貨導入 以来、対ドルの四半期ベースで最大の上昇率を記録した。08年には 23%下落していた。円は対ユーロで2週間ぶりの安値水準に下落し た。日本銀行がこの日発表した企業短期経済観測調査(短観)で企 業景況感が市場予想を下回った一方、中国の6月の製造業購買担当 者指数(PMI)が上昇したことが円売りを誘った。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケッ ツ・グループ戦略責任者、サマルジット・シャンカー氏(ボストン 在勤)は「機敏な投資家の資金はすでに、一部新興国市場に流れて いる。大きな下げを経験した市場が最も大きなリターンを期待でき る」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時15分現在、円は対ユーロで1.1%安 の1ユーロ=136円67銭(前日は同135円21銭)。一時は15日 以来の安値となる同135円89銭まで下げる場面もあった。ドルは対 ユーロで0.8%安の1ユーロ=1.4146ドル(前日は同1.4033ドル)。 1時は5日以来の安値水準、同1.4201まで値下がり。ドルは対円で

0.3%高の1ドル=96円62銭(前日は同96円36銭)。

ロイター通信が主要8カ国(G8)の関係者の話を基に、中国 が来週のサミットで新たな準備通貨の提案を協議するよう求めたと 報じると、ドルは対ユーロで下げ幅を拡大。1ユーロ=1.42ドルを 突破した。

ドルの支配

中国当局はこれまでドルの影響力軽減を目指し、国際通貨基金 (IMF)の特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットに人民元 を加えることを求めてきた。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、リチャード・ フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「これは、明らかにドル を一歩後退させるテーマだ」と指摘。「ドルが突破口を開き少しで も安定の兆しを見せ始めると、いつも中国からSDR推奨やドル過 小評価のニュースが飛び込んでくる」と述べた。

国際通貨基金(IMF )が前日発表した外貨準備に関する報告 書によると、1-3月(第1四半期)の世界の外貨準備にドルが占 める割合は65%と、07年以来の高水準となった。

ブラジル・レアルは対ドルで1.2%高。4-6月(第2四半期) には19%上げた。ブラジル株指標のボベスパ指数はこの0.7%上昇、 4-6月は26%高と四半期ベースでは05年以来の上昇率を記録し た。

ドルと円は対ユーロで、主要通貨中4-6月(第2四半期)の 値下がり率トップ。世界的にリセッション(景気後退)は和らいで いるとの兆候が、金融危機の最悪期に積み増した同2通貨の売りを 促した。

米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業景況指数が

44.8と、前月の42.8から上昇し昨年8月以来の高水準となったこ ともドルと円には悪材料となった。指数50は製造業活動の拡大と縮 小の境目を示す。

「円売り」

中国の6月の製造業購買担当者指数(PMI)は53.2と、前月 の53.1から上昇。4カ月連続で製造業の拡大・縮小の分かれ目とな る50を上回った。

みずほコーポレート銀行の欧州ヘッジファンド営業責任者、ニ ール・ジョーンズ氏(ロンドン在勤)は、「中国製造業のニュース は円売りを促した。少なくともきっかけにはなった」と指摘。「株 式相場の上昇やリスクの高い市場の好調は継続する公算が大きい」 と述べた。

S&P500種株価指数は0.4%高。4-6月(第2四半期)は 15%の上昇。

ジョーンズ氏は、円は対ドルで8月末までに1ドル=100円、 対ユーロでは1ユーロ=140円まで値下がりする可能性があると見 ている。景気回復の兆しが表れれば円を保有する理由もなくなると 説明。

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観)で大企業・ 製造業の業況判断指数(DI)はマイナス48と、3月の前回調査 (マ イナス58)から改善。ブルームバーグのエコノミスト予想ではマイ ナス43を見込んでいた。

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