全日空:増資で最大1826億円の資金調達へ-自前で財務強化

全日本空輸は1日、公募増資など により、手取り概算額で最大1826億円の資金を調達すると発表した。 資金は新型機導入などの設備投資に充当する予定。経営環境が悪化する 中で財務基盤を強化し、成田や羽田の首都圏空港拡張によるビジネスチ ャンスに対応して成長軌道に乗せていくことを目指す。

全日空の岡田晃執行役員は同日の会見で、最低でも1500億円を調 達し、5000億円の自己資本が目標だと明らかにした。また、今回の増 資に関して、中期的に株主の理解を得られるだろうとの考えを示した。

公募増資では5億3750万株の普通株を発行し、投資家の需要次第 で実施する追加売り出し(オーバーアロットメント)も合わせ最大5億 7500万株を発行する。新株の発行価格は13-15日の間に決定。公募 の払込期日は21-23日。公募とオーバーアロットメントで発行する合 計株数は発行済み株式総数の29.5%に相当する。

また、全日空は同日、今期(2010年3月期)に総額約300億円の 緊急収支改善策を発表。需給に応じた休減便や貨物大型機の導入延期、 来期以降の費用抑制策の前倒しなど費用圧縮、一般調達コストの削減、 国際線で付加価値サービスの有料化や国内線のサービス内容の見直しな どが骨子。詳細は決算発表時に公表する。

緊急収支改善策の背景には、ビジネス旅客需要が期初想定を上回 る厳しさになるなど、経営環境の悪化がある。4-6月期は当初計画よ りも約300億円程度の減収になる可能性があるとみている。

さらに、需要に応じた供給の調整などを軸に事業戦略の見直し、 戦略的なもの以外の投資抑制、コスト削減などの事業構造の抜本的強化 を軸とした今期緊急対応プランを遂行中としている。

一方、全日空は同日、昨秋に発注を決めた米ボーイングの767 -300ER型の9機のうち、5機を今期に同787型機の発注へ変更 したと発表。この結果、現在発注している787型機は計55機。ボー イングは6月に予定していた787型機の試験飛行を延期したが、全日 空には第1号機の新たな引き渡しスケジュールの連絡はなく、大幅な遅 延でない限り、事業計画への大きな影響はないとしている。

航空業界は景気後退などで旅客需要が低迷し、前期(09年3月 期)決算で赤字が相次いだ。こうした中、ライバルの日本航空は政府の 支援の下、日本政策投資銀行など複数の金融機関から1000億円規模の 融資を受けることになった。一方、全日空は自前で財務基盤を強化する 方針を明確にした。

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