米地銀株の下げはS&P500種の上昇失速示唆か-住宅建設株も軟調

米国の地銀や住宅建設会社の株価は 5月の高値から20%強下落し、輸送株は今年、前年比マイナス圏から 抜け出せないでいる。こうした状況はS&P500種株価指数の上昇が 近く失速する前兆かもしれない。

S&P500種採用の地銀株は5月8日に4カ月ぶりの高値を付け て以来23%下落。住宅建設株は5月4日に付けた昨年10月以来の高 値から26%下げている。これらの業界は12兆8000億ドル規模の政 府景気対策から最も恩恵を受けると見込まれていたが、住宅ローン金 利の上昇や信用損失と差し押さえの増加懸念を受け、株価が後退して いる。

銀行株の下落はS&P500種の過去の下げ局面の前触れとなって いる。地銀株が昨年12月8日から28日間で51%の大幅安を演じた のは、S&P500種が12年ぶりの安値676.53まで売り込まれた28% の下落局面が始まる1カ月前だった。また、地銀株が2007年2月に 史上最高値を付けたのは、S&P500種が最高値を付ける7カ月前だ った。

フィフス・サード・アセット・マネジメント(運用資産210億ド ル)のファンドマネジャー、マーク・デモス氏(ミネアポリス在勤) は、住宅市場と信用市場について「まだ困難を脱していないという懸 念が広がりつつある」と指摘する。

政府が誘導した相場反発

多額の政府支出で第2次大戦以来の世界同時不況は終息するとの 観測を追い風に、S&P500種は3月末以降15%上昇し、四半期ベー スでは1998年以来最大の値上がりを演じた。金融株の上昇は同指数 の業種別10指数で最大となっていた。

ところが、株式相場は3週間前から軟化し始めている。3月9日 以降のS&P500種の36%の上昇を正当化できるほど米経済は急速 には回復していないとの見方が、経済指標を受けて広がったためだ。

デラウェア・インベストメンツの運用担当者ジョーダン・アービ ング氏は「これは政府が誘導した相場反発だ」と述べ、「政府関連の需 要ではなく、本質的な需要から本物の好材料が出てくる必要があるが、 まだ見当たらない」と指摘した。

バンク・オブ・アメリカやレイモンド・ジェームズ・ファイナン シャルのストラテジストらによると、輸送株の出遅れも株式相場の上 昇には悪い兆しだ。航空株や陸運株、鉄道株は通常、景気回復に先行 するためだという。ダウ輸送株は年初来で8.6%下落し、ダウ工業株 30種平均の3.8%安よりも大幅な下げを見せている。

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