SF連銀総裁:米経済に「峠越す」兆し、景気後退は年内終了

米サンフランシスコ連銀のイエレ ン総裁は30日、米経済が今にも「峠を越す」兆しが見られると語り、 リセッション(景気後退)は年内に終了するとの見通しをあらためて 表明した。

イエレン総裁はサンフランシスコでの講演用原稿で、「現時点でわ れわれは、集中治療を受けながら状態が安定してきて、熱がちょうど 下がり始めた患者のようだ」と例えた。その上で、「リセッションに入 って6四半期目が終わるところだが、落ち込みのペースは著しく鈍化 している」と指摘。「金融システムへの信頼感もゆっくりと回復しつつ ある」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の他のメンバーも先週、景気 縮小のペースは鈍化していると表明しており、イエレン総裁の発言も これに沿うものだ。FOMCは6月23、24両日に開いた会合後の声 明で、政策金利は「異例な低水準」が長期にわたり続くとの見通しを 示した。

政策金利についてイエレン総裁は講演後に記者団に対し、数年間 にわたってゼロ付近に維持することが「可能性の範囲に絶対に含まれ ないわけではない」と語った。

イエレン総裁は講演で、信用の流れを維持するための米連邦準備 制度理事会(FRB)の措置は「本格的な混乱を回避させることに成 功した」と言明。ただ、商業用不動産価格の下落が引き金になるよう な別の金融ショックの脅威は「私の懸念項目リストで上位にある」と 付け加えた。

金融危機

今回の金融危機については、「災害として最も深刻度が高い、百年 に1度の洪水」に匹敵するとし、「継続的な緊急態勢をわれわれに強い てきている」と表現した。

イエレン総裁は「米景気が年内に峠を越すと予想しているが、通 常の状態にすぐに戻るとの楽観的な見方は取っていない」と説明。失 業率は「さらに数年間にわたって、かなりの高水準にとどまる」と予 測した。

同総裁はまた、講演後に聴衆からの質問に答え、中国が保有する 米国債の規模を考えれば同国がドルに対して懸念を抱くのは「理にか なっている」とも発言。ただ、同国が指摘するドル以外の新たな準備 通貨の必要性については、「現時点では現実的ではない」として、むし ろ「長期的な視点」からの構想だろうとの見方を示した。

米経済については、原油高が景気回復の妨げになる恐れがあるほ か、住宅ローン金利の上昇も「依然として病んでいる住宅市場の足か せになりかねない」と語った。ただ、財政刺激策に加え、消費者需要 や住宅建設の持ち直しが、経済成長の復活を促す可能性が高いと強調 した。

総裁は「主なリスクはインフレ率が今後数年間にわたってあまり 高くならず、低過ぎる状態になることだ」と指摘。食品とエネルギー 価格を除いたインフレ率は向こう1年間に約1%に低下し、2%未満 にとどまる可能性があるものの、景気が早期に回復しない場合でもデ フレに転じる公算は小さいとの認識を示した。

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