日本株は終盤崩れ小反落、増資懸念で空運やその他金融売り-資源も

東京株式相場は小幅反落。増資観 測による1株価値希薄化の懸念などから、空運やその他金融株が売ら れ、原油安がマイナスに働く鉱業、石油関連株も下げた。日本銀行の 企業短期経済観測調査(短観)で企業景況感の改善幅が予想を下回っ たほか、相場全般の過熱感なども警戒され、午後終盤に株価指数先物 に大口の売りが断続的に出ると、裁定解消売りがかさんだ。

日経平均株価の終値は前日比18円51銭(0.2%)安の9939円 93銭、昨日に続き一時1万円の大台を回復する場面が見られたが、 終値では維持できず。TOPIXは同1.46ポイント(0.2%)安の

928.30。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「短観の改善幅が市 場予想を下回ったのに、上昇する場面があるなど不自然に強い場面が 目立った」と指摘。その上で、相場全体に依然過熱感が残る中、「政 局が混迷度を増してきたことも、大引けにかけて先物への仕掛けてき な売りを誘う一因になった」との見方を示した。

米国で前日発表された消費者信頼感指数が低調だったほか、低リ スクの米住宅ローン返済延滞が急増したことも重なり、米景気への不 安再燃を背景に、この日の日経平均は安く始まった。ただ、朝方の売 り一巡後は下げ渋り、午前10時すぎに上昇転換。午後に入ると、為 替相場の円安進行に伴い輸出関連株がじり高になった影響で、日経平 均の上げ幅が100円を超えたが、先物売りをきっかけに午後2時半 すぎに再び下げに転じた。

大型の公募増資観測が1日付の日本経済新聞朝刊で伝わった全日 本空輸、オリックスが売り込まれ、各銘柄の属する東証空運指数、そ の他金融指数が33業種別指数の値下がり率1、2位。大規模増資は 短期的には希薄化や需給懸念で売られることが多いが、「調達資金を 有効に使い競争力強化につながれば、徐々に評価される」と、MDA Mアセットマネジメント福島毅執行役員は解説していた。

原油安による収益圧迫懸念から国際石油開発帝石、コスモ石油、 三菱商事などの資源関連株も下落。このほか、野村証券が投資判断を 最下位へ引き下げたDCM Japanホールディングスが売られ、消費 低迷の影響などで3-5月期の連結最終損益が34億円の赤字に落ち 込んだユニー、海外子会社の為替差損発生などが響き、09年11月 期業績予想を下方修正したジャステックも安い。

銀行株堅調、取得機構の買い取り増える

半面、みずほフィナンシャルグループなど銀行株が買われ、相場 全般の下支え役となった。東証銀行株指数が33業種別指数の中で値 上がり率トップ。銀行等保有株式取得機構が1日発表した特別勘定で の買取実績において、6月は824億円と3月以降の最高を記録した ことが買い材料視された。「銀行の株式処分加速が判明したことは、 株安に伴う今後の財務悪化懸念を弱めるためプラスに受け止められや すい」(MDAMアセットの福島氏)との声が聞かれた。

銀行株については、昼休み中にみずほフィナンシャルグループが 最大6551億円に及ぶ公募増資の詳細を正式発表したことで、「銀行 株に漂っていた1株価値の希薄化を招く増資への警戒感がひとまず後 退。あく抜け感を背景に買い戻された面もある」(東洋証券情報部の 檜和田浩昭ストラテジスト)という。

また、中国の製造業購買担当者指数(PMI)が4カ月連続で製 造業の拡大・縮小の分かれ目である50を上回ったことで、中国への 収益依存度が高い銘柄も上げが目立った。コマツや井関農機、津田駒 工業など機械株が上昇。東レや日清紡ホールディングスなど繊維製品 株、日本板硝子や日本特殊陶業などガラス・土石製品株が買われ、昭 和電線ホールディングスやフジクラなど電線株も高い。

東証1部の出来高は概算で23億723万株、売買代金は1兆 5895億円。値上がり銘柄数は716、値下がりは845。業種別33指 数は12業種が上昇、21業種が下落。

ジャスダックとマザーズ指数は高値更新

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比0.32ポイント (0.7%)高の48.86と続伸し、約半年ぶりに終値での年初来高値 を更新した。東証マザーズ指数は同3.13ポイント(0.7%)高の

445.18と5日続伸し、連日で終値の年初来高値。大証ヘラクレス指 数は同0.67ポイント(0.1%)高の651.80と小幅に5日続伸した。

NISグループからTOB(株式公開買い付け)で株式を取得さ れることになったアガスタが値幅制限の上限(ストップ高)で買い気 配のまま終えた。第三者割当による新株式および新株予約権の発行を 決議した総和地所もストップ高。グリー、メディネット、第一興商が 上昇。半面、09年3月期の有価証券報告書を期限までに提出できな かったヤマノホールディングスが安い。そーせいグループ、フェロー テック、大阪証券取引所が下げた。

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