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東京外為:円下げ渋り、国内輸出企業の買い需要-内外指標見極め

東京外国為替市場では、円が徐々 に下げ渋る展開となった。内外の株価堅調を背景に投資家のリスク許容 度改善が連想されやすく、資源国・高金利通貨に対して円売りが進んだ ものの、国内輸出企業を中心とした円買い需要がみられ、円の下値は限 られた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の佐藤大参事役は、海外市場か ら急速にドル高・円安が進んだが、この日は「月末日だったということ もあり、国内輸出企業の円買い圧力が強まった」と指摘。あす以降は内 外で重要材料の発表を控えているほか、下期入りに伴う新規の需給動向 が相場を左右するとみている。

この日はオーストラリア・ドルを中心とした資源国・高金利通貨に 対して、円売りが継続。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=135円96銭 と、15日以来、約2週間ぶりの円安値を付けた。午後の取引では134 円82銭まで円が値を戻す場面もみられた。

ドル・円相場は午前の取引では円売り優勢の展開となり、一時は1 ドル=96円31銭と、3営業日ぶりの水準まで円が下落した。ただ、 資源国・高金利通貨に対して、ドルと円の売りが拮抗(きっこう)し、 午後には95円36銭までドルが軟化した。

あす短観発表

あす7月1日には、日本銀行が6月調査の企業短期経済観測調査 (短観)を発表する。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想に よると、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はマイナス43と、今 年3月の前回調査時から15ポイントの改善が見込まれている。

みずほコーポ銀の佐藤氏は、短観後の相場動向について、ファンダ メンタルズ(経済の基礎的諸条件)の改善が示された場合は、「株が上 がって円売りになる」と予想。一方で、ファンダメンタルズの改善が円 買いの材料とされる可能性もあるとしている。

また、この日の海外時間には、米国で4月のS&P/ケース・シラ ー住宅価格指数や6月の消費者信頼感指数、ユーロ圏では6月の消費者 物価指数(CPI)などの発表が控えている。

市場では、「今週は雇用統計など米国で重要指標が目白押しとなっ ているため、様子見相場になりやすい」(シティバンク銀行個人金融部 門リテール・プロダクト本部為替市場調査・尾河真樹シニアマーケット アナリスト)との指摘も聞かれた。

リスク許容度改善期待

前日の米株式相場は、原油高を背景にエネルギー株主導で上昇。株 価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)の ボラティリティ指数(VIX指数)は25.35と、昨年9月11日以来 の水準まで低下している。

シティバンク・尾河氏は、米国の株価が堅調に推移したことで、 「投資家のリスク許容度が若干回復している」と指摘。高金利通貨が全 般的に上昇し、原油高を受けて資源国通貨も堅調に推移していると付け 加えた。

この日の東京市場では日本株が堅調に推移したことから、海外市場 の流れを引き継いで主要通貨に対して円売り圧力が根強く残った。

ユーロが対ドルで午後一段高

一方、欧州連合(EU)の欧州委員会が29日に発表した6月のユ ーロ圏景況感指数(速報値)は73.3に上昇し、昨年11月以来の高水 準となった。

7月2日に欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合を控えて、景況 感の改善を背景に、利下げ打ち止めが一段と意識されやすく、ユーロに 買い戻し圧力がかかりやすい面もあった。

この日のユーロ・ドル相場は、午後の取引で一時1ユーロ=

1.4152ドルと、11日以来、約3週間ぶりの水準までユーロが値を戻 している。

東海東京証券金融市場部の二瓶洋トレーディンググループマネジャ ーは、米国は低金利を維持し、ECBは利下げの公算がないという状況 のなかで、米国とユーロ圏の金利差を背景に「ユーロ買いをしやすくな る」としている。

--取材協力:吉川淳子 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,

Joji Mochida

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