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【今週の債券】軟調か、増発後初の10年債入札警戒-経済指標も注目

今週の債券相場は軟調(利回りは 上昇)な展開が見込まれている。2009年度の補正予算成立に伴って増 発された初の10年利付国債入札が予定されており、需給悪化に対する 懸念が相場の圧迫要因となりそうだ。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンド マネジャーは、「今週は10年債入札が焦点。1.3%台の利回り水準は厳 しいが1.4%台であれば何とかなる。銀行勢などの買いが細り、相場に 高値警戒感があるので、需給動向を占う上での試金石になる」という。

10年債利回り予想レンジ1.35-1.47%

今週の新発10年債利回りについて、26日夕までに市場参加者3人 に聞いたところ、全体の予想レンジは1.35%から1.47%となった。前 週末の終値(1.395%)付近から水準をやや切り上げる見通し。

大和住銀投信投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは、今週の長 期金利は1.4%台前半が中心と予想する。「買い遅れていた投資家の需 要は根強いものの、さすがに1.3%台を買い進む展開は見込みにくい。 景気の底入れ期待で株価が堅調に推移すれば、現在の金利水準はやや低 い印象が否めない」と言う。

前週の債券相場は堅調だった。世界銀行が今年の世界経済成長率見 通しを下方修正したことで景気懸念が再燃して、投資家の債券買いが膨 らんだためだ。新発10年債利回りは一時1.37%と4月初旬以来の低水 準をつけた。前回債より4000億円増額された2年債入札結果が順調と なったことも買い安心感につながった。

ただ、市場では、7月から国債増発が本格化するにもかかわらず、 新発10年債利回りが1.4%割れとなったことは買われ過ぎとの見方が ある。みずほインベスターズ証券の落合昂二シニアマーケットエコノミ ストは「待機資金の駆け込みという一時的要因で、この2週間に10年 金利が大幅に低下したが、こうした状態が継続する条件としては、需給 要因を上回るほどの景気悪化懸念が台頭する必要がある」と指摘する。

今週発表される経済統計は景況感の改善を示しそうだ。29日の5 月の鉱工業生産指数は前月比7.0%上昇する見込み。日本銀行が7月1 日に公表する企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の業 況判断DIはマイナス43と前回調査から大幅改善が見込まれている。 もっとも、日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは 「急速な落ち込みの反動の部分があり、すでに生産の回復などで織り込 んでいる」として、相場の方向性を決める材料にはなりにくいという。

10年債入札に注目、クーポン引き下げか

7月2日に実施される10年利付国債の入札が最大の注目材料。発 行額は今回から2000億円増額の2兆1000億円となる。前週末の入札前 取引では1.41%程度で推移しており、表面利率は前回債より0.1ポイ ント低い1.4%に引き下げられる見通しだ。

日興シティグループ証の佐野氏は、入札について、1.4%クーポン で価格100円以下の水準ではある程度の需要があるとしながらも、 「2000億円増の総額2.1兆円には消化への不安が残る」という。

市場参加者の予想レンジとコメント

26日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の 通り。先物は中心限月9月物、新発10年国債利回りは301回債。

◎大和住銀投信投資顧問・横山英士ファンドマネジャー

先物9月物137円00銭-137円75銭

新発10年債利回り=1.39%-1.46%

「長期金利は1.4%前半が中心か。買い遅れた投資家の需要は根強 いものの、さすがに1.3%台を買い進む展開は見込めない。景気の底入 れ期待で株価が堅調に推移すれば、現在の金利水準はやや低い印象が否 めない。短観では企業の景況感が改善する一方で、設備投資計画の伸び は期待できないため、債券市場への影響は限定されるのではないか」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファンドマ ネジャー 先物9月物136円70銭-137円90銭

新発10年債利回り=1.37%-1.47%

「10年債入札が焦点になる。鉱工業生産、日銀短観、米供給管理 協会(ISM)製造業景況指数、米雇用統計などが発表されるが、最近 の指標はやや強めとなっている。10年入札は、1.3%台の利回り水準は 厳しいが、1.4%台であれば何とかなる。銀行勢などの買いが細り、高 値警戒感のある相場水準なので、需給動向を占う上での試金石となる」

◎損保ジャパン・グローバル運用部グループリーダーの砺波政明氏

先物9月物137円20銭-138円20銭

新発10年債利回り=1.35%-1.43%

「日銀短観と10年債入札が焦点。短観で業況判断の回復は織り込 んでいると思うが、市場の反応次第だろう。入札は無難な結果になると 思う。金利は足元で低下したが、買い遅れた投資家による需要が入った ようだ。7月に入り、新しい四半期での運用資金の流入も期待される。 米雇用統計では雇用者数の動向などに注目が集まる」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors:Tetsuzo Ushiroyama,Hidenori Yamanaka

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