コンテンツにスキップする

債券は長期債相場が軟調、入札で増発の影響を見極め-新規購入に慎重

債券市場では長期債相場が軟調 (利回りは上昇)。前日の米債上昇や国内物価の下落を手がかりに先物 中心に買いが先行したものの、来週の10年債入札で国債増発の影響を 見極めたいとの指摘が多く、投資家は総じて新規購入に慎重だった。

中央三井信託銀行総合資金部の関一也次長は、今週に10年債利回 りが1.4%を割り込む展開となったのは、「大方の市場参加者にとって 予想外。来週の入札にかけて1.4%台に戻すことはありそうだ」と指摘 した。一方で、相場が下がれば着実に買いが入るとの見方も示した。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比19銭高い137円82銭で始 まった。開始後こそ137円87銭まで上昇する場面があったが、午前の 取引終盤からは売り圧力が強まり、午後に入ると一時は137円54銭ま で下落した。その後は前日終値を挟んで一進一退が続き、結局は3銭高 の137円66銭で引けた。日中の売買高は2兆3663億円。

前日の米国市場は債券高、株高となった。このため、米株上昇を受 けた国内株高観測を警戒する見方もあったが、朝方の国内債券市場では 米債上昇が買い材料視されていた。米債市場では7年債入札が順調だっ たほか、事実上のゼロ金利政策が今後も維持されるとの見方が広がり、 米10年債利回りは前日比15ベーシスポイント(bp)低下の3.54%付近 となった。

もっとも、国債増発が始まって10年債など長期ゾーンでは需給悪 化への懸念も残るなか、先物市場も取引開始後の買いが一巡すると日中 は伸び悩んだ。大和住銀投信投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは 米国の金利低下を反映して朝方こそ買いが先行したとしながらも、「金 利水準からは投資家が積極的に買いで動きにくく、株価が底堅さを維持 すればもう少し売られる場面もありそう」との見方を示した。

一方、物価下落の勢いが加速していることは買い材料視された。朝 方に発表された5月の全国消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCP I)は、昨年の石油製品価格急騰の反動から前年同月比1.1%低下して、 下落率は8年ぶりに過去最大を更新した。エネルギーや原材料価格の下 落などもあってマイナス幅は一段と拡大する公算が大きい。

新発10年債利回りは1.395%

現物債市場で新発10年物の301回債利回りは、前日終値より1.5bp 低い1.37%で取引を開始した。その後は売りが優勢の展開となってお り、午後4時現在では1bp高い1.395%で推移している。

国債増発への警戒感が根強くくすぶるなかでは、先物市場と比べて 現物買いの勢いが鈍る傾向がうかがえた。損保ジャパン・アセットマネ ジメントの平松伸仁シニアインベストメントマネジャーは、来週からの 増発によってこれまでの好需給は期待しづらいとみており、「出遅れ気 味の投資家は1.5%手前で買いに動くだろうが、当面は1.4%割れの水 準を買い進むのはきついとみている」との見方を示した。

来週の10年債は1.4%台か

10年債利回りは8カ月ぶりの高水準となる1.56%をつけて以降に 買い進まれ、前日までにほぼ20bp近くも低下したが、市場では来週に かけていったんは上昇に転じるとの見方が有力だ。

財務省が7月2日に実施する10年債の入札において、発行額は 2000億円増額されて2兆1000億円となる。市場では、最近の金利低下 に乗り遅れた投資家の買い需要はおう盛とみられるが、増発の影響を見 極めたいとの声も多い。大和住銀投信投資顧問の横山氏によると、「利 回り1.4%割れは利益確定売りが出る水準」でもあるため、入札と前後 するタイミングでいったんは水準調整が必要との見方が多い。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松氏は、金融政策が当面 は変わらないと見通せば、長期金利は量的緩和当時とほぼ同じ1.2-

1.6%で推移すると想定しており、レンジの中心である1.4%を下回れ ば買いが鈍ると予想。「中長期的にはもう一段の金利低下を見込むもの の、目先は増発後の入札をにらんで1.4%台で推移する」とみる。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 赤間信行 Nobuyuki Akama +81-3-3201-8842 akam@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Nicholas Reynolds +81-3-3201-8676 nreynolds2@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE