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日本株は輸出中心に続伸、FOMC後の円安や米耐久財受注増を好感

東京株式相場は続伸した。米連邦 公開市場委員会(FOMC)後の為替相場が円安傾向となったほか、米 国の製造業耐久財受注額が予想外の前月比プラスとなったことも好感さ れ、業績改善期待から輸出関連株中心に幅広く上昇。東証1部の値上が り銘柄数は全体の85%に達した。

プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「F OMCでは出口戦略に関する話が出ず、これ以上ドルを売る材料がなく なった」と指摘。足元の日本株の調整は円高による輸出企業の採算悪化 懸念だったとして、「為替のモメンタムに安心感が広がったため、下げ た分を戻している」と話した。

日経平均株価の終値は前日比205円76銭(2.2%)高の9796円8 銭、TOPIXは17.31ポイント(1.9%)高の919.77。東証1部の売 買高は概算22億3078万株、売買代金は同1兆5562億円。

現在の相場を支える「景気」と「流動性」に関するイベントをとも に通過したことで不透明感が後退、円安、米国株先物の上昇も追い風に なった。株価指数先物にまとまった買い注文が見られ、「海外年金の中 間決算である6月末を意識し、ショート(売り持ち)を振っていた向き が買い戻す需給要因が大きな影響を与えている」(三菱UFJ証券の藤 戸則弘投資情報部長)との声が聞かれた。

きょうが配当権利落ち日という銘柄が多かった。配当権利落ちなど の銘柄は売買の決済が5日目になるため、この日に売り注文を出すと、 現金化は翌月になる。これが機関投資家からの売りが出にくい一因だっ たとの声があった。

FOMCでは金融政策を維持し、追加的な米国債や住宅ローン関連 証券の買い取り目標は実施されなかった。これを受け海外市場では米金 利が上昇し、ドル買いが進行。東京時間では円が対ドルやユーロでじり 安となった。岡三アセットマネジメントの伊藤嘉洋上席ストラテジスト によると、日本株にとっては「ナスダック総合指数が非常に堅調で、為 替もドル安にならなかったことが好感されている」という。

一方、米商務省が24日に発表した5月の米製造業耐久財受注額は 前月比で1.8%増加し、ブルームバーグ・ニュースがまとめた事前予想 (0.9%減)を上回った。増加は2カ月連続。「足取りは鈍いものの、 足元の経済が底を打って反転に向かっているのは間違いない」(いちよ し投資顧問の秋野充成運用部長)と受け止められた。

また、懸念された米国債の入札も順調に消化しており、「25日の 7年債入札もこのまま終えて米金利が落ち着けば、今晩の米ダウ工業株 30種平均は反発する可能性が高い」(丸三証券の牛尾貴投資情報部 長)との期待が出ている。

金融不安定化リスクの指摘も

もっとも、FOMCの声明では景気判断があまり修正されず、早期 利上げも否定された一方、デフレ警戒は緩められた。舵取りが困難化し ている米連邦準備制度理事会(FRB)の苦悩が反映されているとの見 方から、「米金融政策を取り巻く環境が複雑化しており、市場の期待形 成が不安定化するリスクに備えるべき」(クレディ・スイス証券の白川 浩道チーフエコノミスト)と警鐘を鳴らす向きもある。

プリンシパル・グローバルの板垣氏は「現在の株価は様々な理想的 なことを織り込んだ水準に近く、これ以上買い上がることは難しい」と し、相場は高値波乱の様相を呈していると分析していた。東京市場は大 幅高ながら、東証1部の売買代金は6月平均を9.5%下回った。

三菱電が大幅高、キョーリンは下落

東証1部の値上がり銘柄数は1452、値下がりは181。個別の材料銘 柄では、10年度に米国と欧州に太陽光発電システムの組み立て工場を 建設すると報じられた三菱電機が大幅高。需要堅調なアクリル酸誘導品 を手がける優位性からクレディ・スイス証券が目標株価を引き上げた東 亜合成、来年中の合併で合意と報じられた新生銀行とあおぞら銀行もそ ろって急伸した。

半面、大和総研が格下げしたキョーリンが下落。第1四半期決算発 表時に通期の業績予想を据え置いたハイデイ日高も安い。東証1部値下 がり率上位では、フジクラが急反落したほか、あさひが6日ぶりに下落 した。売買代金上位ではオリックス、ブリヂストンが安い。

新興市場も上昇

新興市場も上昇。ジャスダック指数の終値は前日比0.42ポイント (0.9%)高の47.41と続伸。東証マザーズ指数は6.40ポイント (1.5%)高の434.48、大証ヘラクレス指数は14.67ポイント(2.3%) 高の642.17とそれぞれ3日ぶり反発。

個別の材料銘柄では、デジタル・アドバタイジング・コンソーシア ムとの業務・資本提携で基本合意したアイレップが値幅制限いっぱいの ストップ高比例配分。10年3月期の黒字見通しを公表したゼンテッ ク・テクノロジー・ジャパンもストップ高。ミクシィやグリーも上昇。 半面、売買代金上位では、日本マクドナルドホールディングス、第一興 商、ダイヤモンドダイニングなどが下げた。

--取材協力:近藤 雅岐 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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