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債券相場は軟調、増発前の金利低下を警戒-2年入札好調の影響は限定

債券相場は軟調(利回りは上昇)。 国債増発を控えるタイミングにあたって最近の急ピッチの金利低下に対 する警戒感が広がるなか、投資家による新規の買い意欲が減退した。2 年債入札は好調となったものの、相場全体に及ぼす影響は限定された。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベスト メントマネジャーは、株価が堅調だったわりに債券相場は底堅かったと しながらも、10年債を1.5%台で買った向きにとっては売却してもよい 水準に見えるのではないかと指摘。「今後の材料は金利上昇リスクも秘 めており、いったんは買いの勢いが鈍りそう」との見方を示した。

東京先物市場の中心限月9月物は、前日比11銭安い137円59銭で 始まり、しばらくは137円60銭付近でのもみ合いが続いた。その後に 買いが優勢となるとプラス圏に切り返して、一時は11銭高の137円81 銭をつけたが、午後には再び小安い推移が続いており、結局は7銭安の 137円63銭で引けた。日中売買高は2兆4524億円。

先物9月物は前日まで9営業日連続で上昇するなど、現物市場の好 需給を反映する動きが続いていたが、この日は総じて上値の重い展開と なった。先物市場での売りがやや優勢だったことについて、大和住銀投 信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、10年ゾ ーンなどは投資家の売り買いが交錯していたが、「急ピッチの相場上昇 の反動や米債下落の影響がうかがえた」との見方を示した。

前日と同様に朝方の売りをこなすとその後は下げ渋る展開となり、 午前10時半前後からはプラス圏での推移となったものの、結局は売り に押されて終値は10営業日ぶりに下げに転じた。大和証券SMBCの 小野木啓子シニアJGBストラテジストは、午後に入って株価が上げ幅 を拡大させると買いの勢いが鈍ったといい、「さすがに9月物が138円 に接近すると警戒感が強まる」とも指摘した。

新発10年債利回りは1.385%

現物債市場で新発10年物の301回債利回りは、前日比0.5ベーシ スポイント(bp)高い1.385%で始まり、開始後には1.395%まで上昇 した。その後しばらく1.385%に戻しての推移となり、午後には1bp低 下の1.37%と4月2日以来の低水準をつけたが、4時31分現在では

1.385%となっている。

この日も301回債利回りは新発10年債として4月初旬以来の低水 準をつけたが、国債増発を控えて今後は金利低下の勢いが鈍るとの指摘 も出ていた。みずほ証券の海老原慎司クオンツアナリストは、来週の 10年債入札では2000億円の増発となるほか、金利低下がさらに進めば 戻り売りが出やすいとしたうえで、「米金利や内外株価の動向次第で水 準調整が入ってもおかしくない」との見方を示した。

大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、足元ではなお投資家の買い意欲 が強いとしながらも、「来週には次回の10年債入札が実施されるだけ に、これに向けて持ち高調整の売りが出て金利水準がやや上がる場面も ありそう」と予想していた。

2年債入札は好調

財務省が午後零時45分に発表した2年国債(282回債、7月債)の 入札結果によると、最低落札価格は99円92銭5厘、平均落札価格は 99円93銭だった。最低価格は事前の市場予想99円91銭5厘を上回り、 最低と平均価格の格差(テール)は前回債の7厘から5厘に縮小した。 応札倍率は3.56倍に上昇し、昨年8月入札以来の高水準となった。

市場では今回の入札結果に関して好調との評価が出ていた。みずほ 証の海老原氏は、日銀の金融引き締めが当面は見渡せないなかで、2年 債の入札は投資家の余裕資金を消化する需要で好調だったと分析。「ク ーポンが0.3%に引き下げられても、4000億円の増発を難なくこなし た」といい、短い年限の需給は引き続き良好との認識を示した。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

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