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米牛乳価格:2倍に上昇か-飼料高騰と供給過剰で乳牛の処分進む

ディーノ・ジャコマッツィ氏が米 カリフォルニア州ハンフォードで運営する酪農会社ジャコマッツィ・ デアリーは、同氏の祖父が1893年に創業した。同社では2月に保有す る乳牛の11%に当たる100頭を処分。ジャコマッツィ氏は選択の余地 はなかったと振り返る。飼料価格の上昇と世界的な供給過剰により、 10ドル相当の牛乳を生産するコストは最大17ドルに膨らんでいる。

ジャコマッツィ氏(40)は「生産者は完全にパニック状態だ」と 指摘。「100年かけて酪農業を築き上げてきたのに、そのかなりの部分 が1年間で消えてしまうのを目の当たりにするのは非常につらい」と 語る。

酪農業者は消費者への負担の転嫁を計画している。全米牛乳生産 者連盟は向こう数カ月間に酪農業者に対し10万3000頭の乳牛を処分 する費用を支出する。米農業経営者向け融資で最大手のウェルズ・フ ァーゴのシニアエコノミスト、マイケル・スワンソン氏は、牛乳先物 価格は2010年に2倍に上昇し、過去最高の100ポンド(約43.5キロ グラム)当たり23ドルに達すると予想する。

米農務省(USDA)によると、乳牛の処分に伴い、牛乳生産は 40年ぶりに2年連続で減少する見通し。10年にはバターやチーズ、牛 乳、世界の輸出の指標となる無脂粉乳の価格も上昇するとみられる。

シカゴ商業取引所(CME)の牛乳先物10年9月限は、現在の価 格を56%上回る水準で取引されている。

「大幅な急騰」

飼料製品メーカーのインターナショナル・イングリーディエント (ミズーリ州)の酪農業担当バイスプレジデント、リチャード・ブラ ッドフィールド氏は「来年には牛乳は再び20ドルに上昇するだろう」 と予想。「酪農業者が大幅な減産を実施するなか、低価格が長期化すれ ばするほど大幅に急騰する可能性は高まる」との見方を示す。

ウェルズ・ファーゴのスワンソン氏はミネアポリスからの電話イ ンタビューで「どの業者も牛乳生産が利益につながっていない。牛乳 価格は生産コストをかなり下回っている」と指摘する。

USDAの18日の発表によると、米国の5月の牛乳生産量は過去 最高の167億3000万ポンド。一頭当たりの平均生産量も1804ポンド と最高に達した。

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