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大企業景況感は3期ぶり改善、上昇幅は過去最大-4-6月

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4-6月期の国内企業の景況判断 は、大企業・全産業ベースで3四半期ぶりに改善し、上昇幅は過去最 大を記録した。世界同時不況の影響で昨年秋以降急激に落ち込んでい た輸出や生産が3月から持ち直しの兆しを見せるなか、大企業の景況 感も1-3月期に景気が底打ちしたことを裏付ける内容となった。

財務省と内閣府が22日発表した4-6月期の法人企業景気予測 調査によると、大企業・全産業の自社の景況判断BSIはマイナス

22.4と、2004年4-6月期の現行調査開始以来の最低を更新した1- 3月期(マイナス51.3)に比べ28.9ポイント上昇した。改善したの は08年7-9月期以来。このうち製造業はマイナス13.2(前期はマ イナス66.0)、非製造業はマイナス27.8(同マイナス42.6)だった。

第一生命経済研究所の斉藤俊輔副主任エコノミストは発表後、「日 銀短観(6月調査)の業況判断DI(大企業製造業)も持ち直す公算 が大きい」と指摘。その上で、「当面は輸出、生産の持ち直しが続くと 予想され、国内外の経済対策による効果が顕在化していくことなどか ら、先行きも企業マインドは持ち直す可能性が高い」としている。

政府は17日公表の6月の「月例経済報告」で、輸出や生産、個人 消費などの改善を理由に、景気の基調判断について「厳しい状況にあ るものの、一部に持ち直しの動きが見られる」とし、2カ月連続で上 方修正。与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は「明らかに1-3月 期が底であったのではないか」との認識を示した。また、日本銀行も 16日の金融政策決定会合で、景気は「大幅に悪化した後、下げ止まり つつある」とし、情勢判断を2カ月連続で上方修正した。

製造業の景況感は総じて改善

大企業の景況判断BSIの内訳を見ると、製造業はパルプ関連と 化学工業が原材料価格の低下や中国向けの需要増加を理由にBSIが プラスに転化。在庫調整が進んだ自動車関連や、携帯電話、液晶テレ ビなどが回復基調にある情報通信関連をはじめ、ほぼ全業種で改善が 見られた。

非製造業では金融・保険業や運輸業など多くの業種で改善が見ら れた一方で、建設業が民間設備投資の伸び悩みやマンション建設の減 少などを理由に大幅に悪化。放送局の広告料減少などを背景に情報通 信業もBSIのマイナス幅が拡大しており、ばらつきが目立った。

統計発表後の東京外国為替市場の円の対ドル相場は午前11時半 現在、1ドル=95円98銭。発表直前は同96円08銭近辺で推移して いた。東京株式市場の日経平均株価の午前終値は前週末比9円76銭高 の9796円02銭、東京先物市場の中心限月9月物は同12銭高の137 円04銭。

設備投資に不安

先行きは、大企業・全産業の自社の景況判断BSIの7-9月期 見通しがマイナス2.6(前回調査時マイナス7.0)に改善した。内訳は 製造業がプラス4.8(同マイナス4.7)とプラスに転じ、非製造業はマ イナス6.8(同マイナス8.3)とマイナス幅が縮小した。10-12月期 見通しはプラス8.7で、製造業がプラス17.3、非製造業がプラス3.8 だった。

みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後の リポートで、「大企業・製造業の景況判断BSIの見通しがいずれもプ ラスになったことは想定より強めだったが、本当に問題なのは『その 先に起きること』だ」と指摘した。

全産業の09年度の設備投資は前期の見通しに比べて改善し、前年 度比19.5%減(前回調査時同29.4%減)となった。上期は同17.7% 減(同27.7%減)、下期は21.1%減(同31.0%減)の見通し。

上野氏は「09年度設備投資計画は非常に大きなマイナスの数字に なった」とし、来月1日発表の日銀短観でも大企業の設備投資計画が 記録的な落ち込みとなる可能性が高まったとしている。

非製造業の従業員数判断が過剰に

雇用に関しては、09年度6月末時点での従業員数判断BSIは全 産業でマイナス11.7(前回調査時マイナス11.2)と悪化し、2期連続 でマイナスとなった。製造業はマイナス25.1(同マイナス31.9)と改 善したものの、3期連続のマイナス。非製造業がマイナス4.0(同プ ラス1.2)と調査開始以降初めて「過剰気味超」に転じた。

BSIは、前期と比べた景況を「上昇」「不変」「下降」「不明」 として企業が回答、「上昇」から「下降」を引いた企業数が全体に占め る比率で景気の方向感を示す。資本金1000万円以上の企業(金融・保 険業など一部は1億円以上)を対象に年4回実施しており、今回の調 査時点は5月25日。回答法人数は1万1763社、回収率は78.6%。

--取材協力:伊藤辰雄、日高正裕 Editor:Masaru Aoki,Hitoshi Ozawa

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