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【今週の債券】軟調か、国債増発開始で需給懸念強い-株価見極めも

今週の債券相場は軟調(利回りは 上昇)な展開が見込まれる。日本では今週の2年利付国債(7月債)の 入札から増発されるほか、米国でも国債入札が行われることから、需給 悪化に対する懸念が相場の重しとなる可能性が高い。

10年債利回り予想レンジ1.40-1.53%

今週の新発10年債利回りについて、19日夕までに市場参加者3人 に聞いたところ、全体の予想レンジは1.40%から1.53%となった。前 週末の終値(1.445%)を挟んだ推移ながら、上昇余地が大きくなる見 通し。

RBS証券の市川達夫シニアストラテジストは、今週の長期金利は やや上昇すると予想。「米債相場が米連邦公開市場委員会(FOMC) や国債入札をにらんで神経質に振れる影響を受けつつ、国内市場では来 週の10年債入札での1.5%の表面利率を狙う動きとなる」という。

日米ともに国債入札やそれを受けた需給動向が焦点になる。国内で は、2009年度補正予算の成立後に増額された国債の入札が、今週の2 年債から実施されるほか、来週7月2日には10年債入札が予定されて いる。米国市場では2年、5年、7年債の入札が行われる。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは、「少 なくとも2日の10年債入札を終えないと需給懸念は完全に払しょくで きない。米金利の行方にも不透明感がある」と言う。

一方、前週の債券相場は堅調となり、新発10年債利回りは一時

1.44%と約3週間ぶりの水準まで低下した。11日には1.56%と今年最 高水準を記録したが、そこでは投資家から買いが入り、金利上昇リスク は後退した。前週は日経平均株価が1万円台から水準を切り下げたこと もあって、投資家の買いが膨らんだ。株価が今週も軟調に推移すれば先 物を中心に債券相場の支えとなりそうだ。

週末26日には5月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。 生鮮食品を除くコアは前年同月比1.1%低下と、前月(0.1%低下)か らマイナス幅が拡大する見通し。昨年の反動でコア指数が同月から大幅 に低下することについては、市場で織り込まれているが、岡三アセット マネジメントの山田聡債券運用部長は、「CPIで物価の下落傾向が確 認されれば支援材料になる」という。

2年入札注目、クーポン据え置きか

需給面では、25日の2年利付国債入札が注目される。今回の入札 から増発されるが、日銀の金融緩和策の長期化観測が浸透して投資家の 資金余剰感は強いとみられており、入札結果は無難となりそうだ。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダ ーは、「今回の2年債入札では、4000億円が増額されるものの、銀行 に資金が滞留しているので特に問題はないとみている」という。

前週末の入札前取引では0.365%程度で推移しており、表面利率は 前回債と同じ0.4%となる可能性が高い。発行額は前回債より4000億 円多い2兆4000億円程度。

市場参加者の予想レンジとコメント

19日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは、以下の 通り。先物は中心限月9月物、新発10年国債利回りは301回債。

◎RBS証券・市川達夫シニアストラテジスト

先物9月物136円00銭-137円00銭

新発10年債利回り=1.45%-1.53%

「長期金利はやや上昇か。米債相場がFOMCや入札をにらんで神 経質に振れる影響を受けつつ、国内市場では来週の10年債入札での

1.5%クーポンを狙う動きとなる。一方、2年債入札は今回から増発と なるものの、利回りが0.3%台半ばを超えていれば銀行などの需要で無 難にこなすとみており、カーブは多少スティープ(傾斜)化しやすい」

◎岡三アセットマネジメント・山田聡債券運用部長

先物9月物136円30銭-137円20銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「10年債は1.4%台のレンジで推移する。株高のリズムが小休止し ているなかで金利は上がりづらい。FOMCで長期金利上昇への配慮が 示されれば、米金利の低下を通じて1.4%台前半を探るのではないか。 2年債入札で国債増発が始まるが、あらかじめ慎重に構えているので問 題ない。CPIで物価の下落傾向が確認されるのも支援材料とみる」

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー

先物9月物136円00銭-137円50銭

新発10年債利回り=1.40%-1.50%

「FOMCで長期金利上昇の抑制策が出るかに注目している。米国 では2年や5年債の入札もある。週末発表される全国CPIは前年比 1%以上の下落見通しで、支援材料となる見込み。相場の地合いは良い と思う。2年債入札は今回、4000億円増額されるが、銀行に資金が滞 留しているので、特に問題はないとみている」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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