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JR東海:う回ルートのコスト提示で正当性主張-リニア建設

東海旅客鉄道(JR東海)は18 日、東京―名古屋を結ぶ超電導リニア中央新幹線の建設費試案を発表し た。地元からの要望を受け入れたルートでは建設費が従来の見積もりよ り最大6400億円増加すると具体的に提示したことで、経済合理性の観 点から従来案の正当性を主張する形となった。

地元からの要望を受け入れ、東京-甲府市付近から南アルプスの 北側をう回して木曽谷を経るルートは約5兆6300億円、伊那谷を経る ルートは約5兆7400億円となり、同社が従来検討していた南アルプス を貫通するほぼ直線ルートの5兆1000億円を大きく上回る。

JR東海の松本正之社長が同日、自民党本部で開催された「磁気 浮上式鉄道に関する特命委員会」に出席し、最短となる南アルプス貫通 ルートの試算に加え、その他2ルートの建設費や所要時間、また路線の 長さについて説明した。

木曽谷ルートは路線334キロメートルで東京―名古屋の所要時間 は最速46分、長野県が強く希望する伊那谷ルートで346キロ、時間は 47分、南アルプス貫通ルートは286キロで時間は40分となる。

松本社長は、委員会終了後に記者団に対し、コストだけではなく 路線の長さや所要時間などの観点からも、従来から主張している南アル プス貫通ルートの「優位性を示すことができた」との認識を示した。

JR東海側は引き続き、維持運営費や設備更新費、さらに輸送需 要量などについてのデータを公表していく。運営費などのデータが加わ ることで、南アルプス貫通ルートと他ルートとのコスト差が一段と拡大 し、結果的にJR東海の主張を補強する内容になる見通し。また、8月 下旬以降には、大阪までの建設費用などのデータも開示する方針。

「リニアは国家プロジェクト」

リニア中央エクスプレス建設促進議員連盟会長の堀内光雄委員長 は会合後、東京-名古屋の最速所要時間が40分と明記されたことを 「評価したい」と述べた上で、「リニアは国家プロジェクトであり、国 民、地元の人たちとの合意なしの建設はありえない」と語った。また 「データがそろい、これから正式な議論に入る」との認識を示した。

中央新幹線は国やJR東海などが首都圏-近畿圏の新たな新幹線 として実現を目指している。全国新幹線鉄道整備法では甲府市、名古屋 市、奈良市などを経由することになっている。JR東海は2007年12 月25日、首都圏-中京圏で25年度開業を目指して中央新幹線の路線 建設などを自己負担で行うと発表、路線建設費と車両費で5兆1000億 円程度とし、開業後の収益で回収できるとした。

また、JR東海は08年10月22日に地形・地質などの調査報告書 を公表し、3ルートのいずれでも建設が可能としていた。松本社長は8 日のリニア新幹線関連の会合で、1県に1駅を設置するとの考えを前提 に事業を進めることを発表。JR東海は、リニアでは東京―名古屋間で 1時間に往復10便、所要時間1時間を切る形での事業開始を目指す。

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