政投銀の完全民営化を事実上撤回-与野党が政府の株保有維持で合意

自民党と民主党は27日夜、昨 年10月に民営化された日本政策投資銀行の株式の3分の1以上の政 府保有を当面継続することで合意した。衆院財務金融委員会で審議中 の政投銀法改正案を修正し、採決する見通し。これにより、小泉純一 郎政権が進めてきた政府系金融機関改革の柱の1つである政投銀の完 全民営化が、事実上撤回される異例の事態となった。

同委員会の竹本直一筆頭理事(自民)と中川正春筆頭理事(民 主)が同日夜、国会内で協議した。中川氏は記者団に対し、「政府に よる政党銀の株式の3分の1以上保有を継続することでほぼ合意し た」と説明。竹本氏も「11年度をめどに詳細を詰める」と述べ、政 府の保有比率や組織の在り方について再検討する考えを示した。

同法案は、政投銀への政府出資を2011年度末までの時限措置と して再開し、完全民営化時期を当初予定の「13年10月-15年10 月」から「17年4月-19年4月」まで3年半延期する内容。さらに、 11 年度末をめどに危機対応業務の在り方や株式の全処分の時期につ いて検討する「見直し規定」も盛り込まれていた。

一方、民主党は政投銀の危機対応業務の重要性を指摘するととも に、平時においても資源開発などを進めるにあたって政府系金融が必 要だと主張。特別議決権に対する拒否権発動に必要な3分の1以上を 下限に、政府が株式を保有し政投銀への関与を継続する修正案を提出 し、与党側がこれを受け入れる形で決着した。

修正案では「政府が常時会社(政投銀)の3分の1を超える株式 を保有する」とした上で、11年度末をめどに「政府が政投銀による 危機対応業務の在り方、政府による株式保有の在り方を含めた会社組 織の在り方を見直し、必要な措置を講ずる」と明記。必要な措置が講 じられるまでの間、政府保有株式の処分を凍結する。

民主党は、商工組合中央金庫法改正案をめぐっても民営化撤回を 主張。すでに参院で成立した同党提出の租税透明化法案採決への協力 を自民党に求めており、これらの法案も含め一括して来週中にも衆院 採決に持ち込む方向で、与野党間の駆け引きが続いている。

金融危機の影響で日本の景気後退が深刻化する中、市場からの直 接金融で資金を調達してきた企業の資金繰り環境も悪化。麻生太郎政 権は政投銀の政策金融機能の強化を通じて企業の資金繰りを支援する 方針で、先月10日発表の追加経済対策で政投銀による低利融資枠1 兆円(今年度分)の9兆円への引き上げを決めた。これと併せ、政投 銀の自己資本増強のため政府出資の再開に踏み切る。

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