ユーロが一段安、欧州金融機関の不良債権懸念で買い持ち高縮小(2)

東京外国為替市場では午後の取 引でユーロが一段安となった。前週からの大幅高の後で、欧州金融機 関の不良資産に関する英紙報道を手掛かりにユーロの買い持ち高を縮 小する動きが優勢となった。

ユーロは対円で前日に約2週間ぶり高値となる1ユーロ=133円 42銭を付けたが、この日の東京市場では131円74銭まで反落。対 ドルでも1月以来の高値圏となる1ユーロ=1.40ドル台前半から一 時、1.3929ドルまで値を下げた。

また、ドル・円は対ユーロでの円買いが波及し、一時は1ドル= 94円51銭までドル売り・円買いが進む場面が見られた。

みずほコーポレート銀行国際為替部の佐藤大参事査役は、ユーロ の下落について「きのう北朝鮮の話でクロス円(ドル以外の通貨の対 円相場)が上がったものの、上値が重かったことでポジション調整が 出ている程度」と説明。「いずれにしろ市場が見ているのは米国債の 入札やFRB(米連邦準備制度理事会)による国債買い入れ増額の可 能性、GM(ゼネラル・モーターズ)問題で、東京時間に活発に動く というには手掛かり難という感じがする」と語っていた。

ユーロが調整

英紙テレグラフ(オンライン版)が25日報じたところによると、 ドイツ連邦金融監督局(BaFin)のザニオ長官は、国内銀行が金 融危機の次の段階に備えるため政府の「バッドバンク」計画を活用し ない限り、銀行の不良資産は「手投げ弾のように」爆発すると警告し ている。

前日の米英市場が休場で手掛かり材料に乏しいなか、同報道をき っかけにユーロは下落。市場では「株も下がっていることからきょう はクロス円も下がりやすい」(三菱UFJ証券クレジット市場部為替 課長・塩入稔氏)との指摘も聞かれた。

また、午後には韓国の聨合ニュースが、北朝鮮が前日に続きさら に2発の短距離ミサイルを試験発射したと報道。大和証券SMBC金 融市場調査部のチーフFXストラテジスト、長崎能英氏は、北朝鮮問 題をめぐる不透明感から資源国通貨など「リスク選好度の高い通貨が 売られる展開になっている」と説明する。

米国債入札を警戒-不調ならドル売り再燃も

一方、米国ではきょうの2年債を皮切りに総額1620億ドルの入 札(短期債含む)が始まる。

先週は米国の財政赤字拡大や格下げリスクに対する懸念から米 株・米債、ドルのいずれもが下落する「トリプル安」が進行。週末に は対ユーロで昨年1月以来となる1ユーロ=1.40ドル台までドル安 が進んだ。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の佐々木融チーフFX ストラテジストは、米長期金利の上昇について、「市場が米国の財政 赤字の拡大やFRBの金融政策に懸念を示し始めているということ だ」と説明し、今回の入札が不調に終わった場合には、『悪い長期金 利の上昇』に沿う形でドルの下落が続くことになるとみている。

また、この日は3月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S& P)/ケース・シラー住宅価格指数が発表される。今回の金融・経済 危機の発端となった住宅価格の下落に歯止めが掛かりつつあることが 確認されれば、景気の先行き懸念が和らぎ、ドルから資源国通貨や新 興国通貨に資金を振り向けやすくなるとの見方が強まる可能性もあり、 目先は引き続きドルの下落リスクが警戒される。

--取材協力:吉川 淳子、Editors:Tetsuzo Ushiroyama, Hidenori Yamanaka

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