豪ドル相場:アナリストが予想を14%引き上げ-景気回復期待で

オーストラリア・ドルは、世界 的な景気回復に対する楽観ムードで上昇に弾みがついており、アナリ ストは他の主要通貨より速いペースで相場予想を引き上げている。

オーストラリアは18年ぶりのリセッション(景気後退)に陥っ ているが、先進国の中では最も高い金利に豪ドルは支えられている。 シドニー時間26日午前11時51分(日本時間同10時51分)現在、 1豪ドル=0.7751米ドルで取引されている。2月26日からは20%上 昇と、3カ月間の上昇率としては、豪ドルが1983年に変動相場制に 完全に移行して以来、最大となった(ブルームバーグ・データ)。

ブルームバーグの月次調査によると、2009年末時点の豪ドル相場 のアナリスト予想の中央値は今年に入ってから14%引き上げられてい る。これは対米ドルでの取引量の多い16通貨の中で、最大の上方修 正幅。BNPパリバやウェルズファーゴ、そのほか21社のストラテ ジストが5月、豪ドルの相場見通しを引き上げた。背景には、鉄鉱石 から羊毛に至るまで、豪州輸出品に対する中国の需要が回復するとい った観測がある。

米国や日本、カナダなどの中央銀行に追随して政策金利をゼロ近 くに引き下げることにオーストラリア準備銀行(中央銀行)が消極的 なことも、豪ドルを支えている。

パトナム・インベストメンツのシニアバイスプレジデント、パレ シュ・ウパダヤ氏(ボストン在勤)は「弱気派は敗北を認めている。 豪ドルは割安だ」と指摘。「金利差によって引き続き支えられてい る」と述べた。

豪準備銀が7年ぶりに利下げを実施したのを受け、豪ドルは昨年 の7月から10月までに、対米ドルで39%、対円では47%下落した。 同年9月15日のリーマン・ブラザーズ破たんで信用市場が機能停止 状態に陥ると、豪ドルの下げはさらに加速。投資家の高利回り資産離 れがみられ、豪ドルの年間下げ率は対米ドルで20%、対円では35% と、ともに過去最大だった。

豪ドルは10月に5年ぶり安値となる0.6009米ドルを付けた。し かし、オーストラリアの最大の貿易相手国である中国が11月9日に 4兆元(約55兆5000億円)規模の景気刺激策を打ち出して以来、豪 ドルは対米ドルで16%上昇している。取引量上位の通貨の中で、11 月9日からの上昇率が豪ドルより大きかったのは南アフリカ・ランド の21%のみ。

世界的な景気回復を見込みながらも、豪ドルの下落を予想する市 場関係者もいる。豪ドルが年末までに13%下落し、0.6800米ドルを 付けると予想するドイツ銀行は、豪ドルやニュージーランド・ドル、 カナダ・ドルで資金を借りて、より金利の高いブラジルのレアルを買 うキャリートレードを推奨している。対レアルで豪ドルは1豪ドル=

1.57レアルと年初来の下落率が3.3%と、今年対レアルで下落してい る主要15通貨の中では最も小幅の下げ率にととどまっている。

豪ドルの対レアル相場は、他通貨の大半と比べ、株式相場の動き には左右されにくい傾向がある。このことが、急激な株価変動を引き 金とする通貨急落でキャリートレードの利益が吹き飛んでしまうとい ったリスクを小さくするとドイツ銀行の為替ストラテジスト、アダ ム・ボイトン氏は19日のニューヨークでの記者会見で述べている。

豪ドルは今月に入ってから対米ドルで7%上昇しており、月末ま でこの基調を維持すれば、04年以来の4カ月連続の上昇となる。しか し、昨年7月15日に付けた最高値の0.9850米ドルを依然として

0.2000米ドル余り下回っている。