米JPモルガン:ワシントンMの取得資産から思わぬ収入-290億ドル

米銀2位のJPモルガン・チェー スは、290億ドル(約2兆7500億円)もの思わぬ収入を得るもよう だ。米S&L(貯蓄・貸付組合)ワシントン・ミューチュアルから昨 年取得した不良資産を収入に変える会計処理方法のおかげだ。

規制当局への届け出によると、他の米銀ウェルズ・ファーゴやバ ンク・オブ・アメリカ(BOA)、PNCファイナンシャル・サービシ ズ・グループも、それぞれ買収したワコビア、カントリーワイド・フ ァイナンシャル、ナショナル・シティから恩恵を得るもようだ。住宅 金融を手掛けていたこれら金融機関の買収で得たローンのバランスシ ート(貸借対照表)上の価値と、同ローンから想定されるキャッシュ フロー(現金収支)との間に計560億ドルの差額が発生するためだ。

米失業率が25年ぶり高水準に達し、住宅差し押さえが急増する なか、米金融機関は施行後4年の会計基準の活用を進めている。同基 準は、取得したものの信用の質が低下したローンの財務処理方法を示 したもので、税・会計顧問会社を経営するロバート・ウィレンス氏に よれば、大恐慌以来最悪の金融危機で価値が激減した住宅ローンや商 業向けローンに適用すると、不良資産からも利益をひねり出せる。

かつてリーマン・ブラザーズ・ホールディングスで幹部を務めた ウィレンス氏は、同会計基準は「金融機関に劇的な恩恵をもたらす。 この先、相当な利益を計上できる可能性は大きい」と述べた。

JPモルガンは昨年9月、ワシントン・ミューチュアルを19億 ドルで買収したが、時価会計を用いて取得したローン資産1182ドル の価値を25%引き下げた。現在は、借り手による返済が進んで同ロー ンの期限内に税引き前ベースで291億ドルを得られる可能性があると JPモルガンはみている。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェラード・キャ シディ氏によれば、SOP第03-3号として知られるこの会計基準に よって、金融機関にはローンの価値を取得時に可能な限り積極的に引 き下げようとするインセンティブが働く。資産評価は後に引き上げら れることから、この会計処理は「長期的にプラスだ」と話した。