東京外為:円強含み、米景気後退懸念深まる-一段の円高には警戒感も

東京外国為替市場では円が強含み に推移した。米景気後退の深刻化懸念を背景とした米株安に続いて、ア ジアの株式市場もほぼ全面安の展開となったことから、投資家がリスク 投資を敬遠する可能性が警戒され、高金利通貨などから円に資金を戻す 動きがみられた。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、ドル売 り材料に神経質になるなか、米国時間に発表される経済指標が弱含みと なれば、「一段のドル安進行も警戒される」と指摘。東京時間の日中は アジア株の下落を背景とした円買いの動きも相まって、ドル安・円高圧 力がくすぶったと説明する。

ドル・円相場は午前の取引で一時1ドル=94円29銭と、3月20 日以来、2カ月ぶりの円高値を更新。ただ、18日に94円台半ばまで 円高が進行した局面で、「日本の当局が口先介入をしていることから、 94円台前半で一段の円高を試す動きは出にくい」(野村氏)ともいい、 午後の取引では94円台後半まで押し戻されて推移した。

米悪材料を警戒

この日の米国時間には、新規失業保険申請件数や5月のフィラデル フィア連銀製造業景況指数などの経済指標が発表される。

資産管理サービス信託銀の野村氏は、米経済の弱い材料に市場の目 が向きはじめているとしたうえで、ドル・円相場が94円ちょうどをド ル安・円高方向に割り込むと、93円台半ばが視野に入ってくると指摘。 同水準も下回ると、「ドルの先安観が一段と強まる」と警戒する。

米景気後退は深刻化

米連邦準備制度理事会(FRB)が20日に発表した連邦公開市場 委員会(FOMC)議事録(4月28-29日開催分)によると、当局者 は景気後退がより深くなるとの見通しを示しており、失業率については 9%台の高水準が2010年末まで続くと予想している。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の棚瀬順哉シニアFXス トラテジストは、「3月から4月にかけて米景気の回復期待を背景に上 昇していた米株が調整局面を迎えている」としたうえで、株高に連れて 構築された円売り持ち高が買い戻されていると指摘。株価が頭打ちとな るなか、東京市場では特に目新しい材料が見当たらず、円高が後押しさ れる格好になっていると説明する。

景気楽観論の後退を背景に前日の米株式相場は小幅ながらも続落し ており、積極的なリスク投資は見込みにくい状況となっている。この日 は日経平均株価が一時100円を超える大幅安となるなど、アジアの株 式市場が全般的に軟調に推移した。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=131円71銭ま でユーロ高・円安が進む場面がみられたが、東京市場では129円92銭 まで円が値を戻している。ただ、午後の取引では、日経平均株価が下げ 幅を縮小する展開になると、円の上値も限定され、130円台後半を中 心に取引された。

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