NY外為:ドル下落、対ユーロで1月以来安値-議事録で売り加速(2)

ニューヨーク外国為替市場で はドルが対ユーロで1月以来の安値に下落。ドルの下落基調に加え、 株の値動きが安定しつつあること、また信用市場雪解けの兆しを背景 に、投資資金が高利回り資産に向かうとの観測が強まった。

ドルの対ユーロ相場は連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の 発表後に一段安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表し たFOMC(4月28-29日開催)の議事録で、景気回復の勢いを 強めるために資産購入を拡大する必要性があると一部メンバーから指 摘があったとの記述が手掛かりとなった。ニュージーランド・ドルと カナダ・ドルは対ドルで上昇。原油相場が1バレル=62ドルを上回 ったことで、資源国通貨への需要が強まった。

シュローダー・インベストメント・マネジメントの資産運用担当 者、ウォーレン・ハイランド氏(ロンドン在勤)は、「ドルは反リス ク通貨だ。市場環境は今、リスク志向に変わりつつあり、資金フロー が構造的に変化してきた」と語った。

ニューヨーク時間午後4時1分現在、ユーロは対ドルで1%上げて 1ユーロ=1.3768ドル(前日は同1.3630ドル)。一時は同1.3830 ドルと、1月5日以来の高値を付けた。円は対ドルで1.3%上げて1 ドル=94円75銭(前日は同95円97銭)。ユーロは対円で0.2%安 の1ユーロ=130円51銭(前日は同130円81銭)。

新興市場の通貨としては、南アフリカのランドとブラジルのレア ルなどが対ドルで上昇。新興市場の資産への需要が強まったことが背 景。ランドは1.3%上げ、レアルも一時1.4%高と、昨年10月3日以 来の高値を付けた。

シュローダーのハイランド氏は、オーストラリア・ドルやニュージ ーランド・ドルといった資源国通貨のほか、ブラジルのレアルやポーラ ンドのズロチといった一部の新興市場の通貨を保有している。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は一時

1.5%下げ、80.909と、昨年12月31日以来の低水準を付けた。 逃避先としてのドルへの需要が後退したことが背景。

FOMC議事録によると、資産購入を拡大する必要性について協 議したが、「すでに講じた政策に対する経済と金融状況の反応を見極 めるまでは」決断を見送るのが望ましいとの認識で全会一致に至った。 議事録発表を受けて米国債相場は上昇。10年債利回りは3.19%に 低下した。一方、株価はこれまでの上昇分を失った。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は、「投資収益率は低下し ている。10年債利回りは低下し、株価も下げており、ドルを圧迫し ている」と語った。

FRBが最大3000億ドルの国債を買い取ると発表した3月18 日には、ドルの対ユーロ相場は過去最大の3.4%急落した。

ストップロスを巻き込んで下落

RBSグリニッチの国際通貨戦略北米責任者、アラン・ラスキン 氏によると、ドルの対ユーロ相場は朝方の取引で、1ユーロ=

1.3739ドルの水準に置かれていたストップロスを巻き込んで下げ幅を 拡大した。ドルがこの水準まで下げたのは3月19日以来で初めて。

BNPパリバのテクニカル・アナリスト、アンドルー・シャベリ ア氏(ニューヨーク在勤)は、「一気に買いが入った。ユーロ上昇の勢 いは非常に力強い」と指摘した。シャベリア氏によると、ユーロは数日 以内に4月以降の上昇トレンドラインの上限である1ユーロ=1.3915 ドルの抵抗線を試す可能性がある。