東京外為:円強含み、株伸び悩みでリスク選好一服-買い戻しで95円台

東京外国為替市場では円が強含 み。株価の伸び悩みを背景に積極的に投資リスクが取りづらく、外貨 に振り向けていた資金をいったん円に戻す動きが優勢となった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=131円台から一時、129円73銭ま で円買いが進行。ドル・円相場も1ドル=96円ちょうどを割り込み、 一時は95円48銭まで円高に振れる場面が見られた。

大和証券SMBC金融市場調査部のチーフFXストラテジスト、 長崎能英氏は、「ドル・円はきのういったん96円台に戻したが、な かなかドルの上値も重いということだ」と指摘。その上で、クロス円 (ドル以外の通貨の対円相場)は水準的にそれほど円高になっている わけではなく、円の上昇については調整的な面が強いとみている。

実際、欧州市場に向けては円売りが強まっており、ユーロ・円は 130円台後半を回復。ドル・円も95円台後半まで値を戻している。

朝方発表された日本の1-3月期の国内総生産(GDP)は前期 比年率15.2%減と戦後最悪の落ち込みとなったが、「もともと悪い ことは織り込まれていたし、市場の関心は4-6月からそれ以降に移 っているので、本質的にはあまり影響はなかった」(長崎氏)という。

また、ユーロ・ドル相場は前日に独景況感指数の大幅改善などを 手掛かりに1ユーロ=1.36ドル台後半までユーロ高・ドル安が進ん だが、この日の東京市場では一時、1.35ドル台後半までユーロが反 落。対円でのユーロ売りも重しとなった。

大幅な円高は見込まず

20日の東京株式相場は続伸したものの、日経平均株価が朝方に 前日比100円超上げた後、伸び悩み、外国為替市場でも「リスク回 避的な動き」(シティバンク銀行個人金融部門リテール・プロダクト 本部為替市場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリスト)から円に 買い戻し圧力がかかった。

一方、前日には3カ月物ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金 利)が大幅低下。投資家の悲観度を反映するシカゴ・オプション取引 所(CBOE)がボラティリティ・インデックス(VIX)は約8カ 月ぶりに30を割り込んだ。

シティバンクの尾河氏は、日々の株の振幅によって多少円高に振 れる局面はあるものの、全体としては「金融不安がかなり落ち着いて きているという流れがある」と指摘。このため、大幅な円高にはなり にくく、クロス円も結果的には「底堅い感じになる」とみている。