日本株(終了)輸出や金融中心に反発、米景気の不安後退と円高一服

東京株式相場は反発。米住宅市 場指数が昨年9月以来の高水準に戻したことなどを受け、米国景気に 対する先行き不安が和らいだ。外国為替市場で前日まで進行していた 円高が一服したことも好感され、収益懸念の後退から輸出関連や金融 株を中心に幅広い業種、銘柄が買われた。

日経平均株価の終値は前日比251円60銭(2.8%)高の9290円 29銭、TOPIXは同20.05ポイント(2.3%)高の879.76。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、「今回の世界的な金 融・経済危機の発端となった米国住宅市場の急激な落ち込みが、快方 にあることを確認できた意義は大きい」と指摘。米住宅市場が持ち直 せば、金融機関の財務改善などを通じて「多方面に好影響が及ぶため、 投資資金を株式などのリスク資産に向けやすくなる」と話していた。

この日の日本株は朝方から大きく値を切り上げ、その後も堅調な 展開が継続。午後に入ると、「あす発表の1-3月期の国内総生産 (GDP)を受けた金融市場の反応を見極めたい」(カブドットコム 証券の山田勉マーケットアナリスト)としてこう着感が強まり、小動 きで推移したが、日経平均は昨日の下げ分(226円)を埋めた。

チャート面では、心理的節目となる日経平均の9000円や25日移 動平均線(8984円)を下値抵抗線とする形で前日に下げ止まったこと で、「日経平均は1万円の大台に向けた準備が整った」(山田氏)と の声もあった。

米国で好材料重なる、円高は一服

米国で18日に発表された5月の米住宅市場指数は2カ月連続で 上昇、昨年9月以来の水準に戻した。同日の米国株式市場では、住宅 関連用品小売業ローズの決算が市場予想を上回ったほか、ゴールドマ ン・サックスがバンク・オブ・アメリカ(BOA)を買い推奨に追加。 米金融3社が米政府から注入を受けた公的資金の返済を申請したこと も分かるなど好材料が重なり、ダウ工業株30種平均は2.9%高だった。

前日の日本株市場では円高進行を嫌気し、自動車や電機など輸出 関連業種を中心に売り込まれた。しかしその後、円高は一服。円が主 要16通貨すべてに対し下落した18日のニューヨーク外為市場での流 れを引き継ぎ、19日の東京市場でも円は弱含み推移。米景気不安の後 退と円高修正が好感され、トヨタ自動車やキヤノン、TDK、信越化 学工業といった輸出株が買い戻され、株価指数を押し上げた。

LIBOR急低下

一方、18日のロンドン銀行間市場では3カ月物ドル建てロンドン 銀行間取引金利(LIBOR)が急低下。LIBORとオーバーナイ ト・インデックス・スワップ(翌日物無担保コールレートと固定金利 を交換する金利、OIS)のスプレッド(利回り格差)は約2カ月ぶ りの低水準になった。

LIBORの急低下については、「米国で底入れ改善を示す経済 指標が増え始めたことが信用不安を遠のかせている」(東洋証券の児 玉克彦シニア・ストラテジスト)との指摘がある。信用不安の後退を 背景に、三菱UFJフィナンシャル・グループ、野村ホールディング スなど金融株が買われ、三井不動産など不動産株も高い。

旭硝子やスクエニが急伸、抗インフル関連反落

個別銘柄では、大和総研が投資判断を「買い」に引き上げた旭硝子 が急騰。多額の引当金計上がなくなり、2009年3月期の連結最終損益 が黒字に浮上したニチアス、IHIが株式公開買い付け(TOB)を行 い、完全子会社化する松尾橋梁も大幅高。午後取引開始直後に決算を発 表し、10年3月期の連結営業利益を前期比2倍と見込んだスクウェ ア・エニックス・ホールディングスは、午後に値を切り上げた。

このほか、海外原油先物の上昇を受け、国際石油開発帝石や新日本 石油、伊藤忠商事といった資源関連株は業績への好影響を見込む格好で 上昇。東栄住宅、フージャースコーポレーション、有楽土地など中低位 の不動産株も東証1部の値上がり率上位に顔を出した。

半面、同業のエーエム・ピーエム・ジャパン買収が白紙になったと、 19日付の日本経済新聞朝刊などで伝わったローソンが下落。抗インフ ルエンザ関連株として前日ストップ高比例配分となったダイワボウ、シ キボウは反落。東海染工、トーア紡コーポレーション、ユニチカなど繊 維製品株が値下がり率上位に並び、栄研化学や中外製薬、明治ホールデ ィングスなど検査キットやワクチン、うがい薬メーカー株も安い。IH I、松尾橋と橋梁・水門事業の統合を発表した栗本鉄工所は下げた。

東証1部の値上がり銘柄数は1389、値下がりは236、売買高は23 億2135万株、売買代金は1兆5118億円。業種別33指数は31業種が 上昇、下落は繊維製品と水産・農林の2業種。

新興3指数は高安まちまち

国内新興市場では、ジャスダック指数が前日比0.09ポイント (0.2%)高の42.06、大証ヘラクレス指数は同3.48ポイント (0.7%)高の523.43とともに小反発。東証マザーズ指数は同1.37ポ イント(0.4%)安の351.43と小幅に続落した。

個別では国際計測器、アスコット、アルデプロが買いを集めた。 防毒マスクを手掛ける重松製作所、興研は連日高。半面、セイクレス ト、オンコセラピー・サイエンス、USENが下落。第三者割当増資 と新株予約権が失権した総和地所は大幅安。

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