欧州株は割高-米国株を大きく上回るPER、オプション市場も弱気

欧州株の株価収益率(PER)は 米国株を55%上回っている。また、欧州株の下落に備えるオプション 価格が上昇している。

欧州株の指標となるダウ・ジョーンズ・ストックス600指数のこ こ2カ月の上昇は過去10年で最大。PERは22.3倍となり、米S& P500種株価指数の14.4倍を大きく上回っている(ブルームバーグの データ調べ)。同データによれば、両株価指数とも世界的なリセッショ ン(景気後退)緩和の兆しで3月9日以降28%を上回る上昇率を記録 したが、PER格差は2003年以来最大に広がった。

また、ダウ・ジョーンズ・ユーロ・ストックス50指数の下落に備 えるオプション価格はS&P500種を対象とするオプション価格を 11%上回っている(ブルームバーグのデータ調べ)。ユーロ圏経済がこ れから少なくとも1年はマイナス成長となる一方で、米経済は今年後 半に世界的なリセッションから回復し始めるとの見通しが背景だ。ユ ーロ圏の失業率は3月に3年ぶり高水準に達しており、国際通貨機関 (IMF)は欧州金融機関での貸倒損失が米銀の倍以上のペースで膨 らむと予想している。

パイオニア・インベストメント・マネジメントで運用に携わるジ ョン・キャリー氏は、「欧州では現状からの脱出が緩慢なプロセスとな る。米国で今年10-12月期に回復が本当に見られれば、2010年半ば に欧州の状況改善を見込めるだろう」と語る。

ストックス600指数は先週、3.2%下落して202.92で終了し、今 年これまでの上昇率が2.3%となった。S&P500種は5%下落し、年 初来の上昇が帳消しとなった。両指数とも07年に付けたピークから 43%余り下落している。

オプション市場も欧州に弱気

S&P500種のPERは08年5月に記録したほぼ3年ぶり高水準 の17.7倍を現在18%下回っている。金融機関の1兆ドル近い評価損・ 貸倒損失や26年ぶりの急激なペースで悪化した米経済が背景だった。 一方、ストックス600指数のPERは1年前に13倍だったが、それを 72%上回る水準になった。

キャリー氏はこれを「異常かもしれない」とし、「双方のPERが 近づく調整が起きる可能性はある。米経済の見通しの方が良いという 観点からすると特にそうだ」と述べた。

オプション市場でも、欧州企業の業績は米企業を下回るとの見通 しが強いと、ソシエテ・ジェネラルで株式デリバティブ(金融派生商 品)のシニアストラテジストを務めるレベッカ・チョン氏は指摘する。

オプション価格の指標となるインプライド・ボラティリティ(予 想変動率)は、ユーロ・ストックス50指数の上昇よりも下落に備える オプションのボラティリティが11.3ポイント上回っており、この格差 は昨年10月以降最大。S&P500種を対象とするオプションの同格差 は5.1ポイントだ。

チョン氏は「欧州の下振れリスクを懸念する市場参加者の方が多 い。欧州の金融機関はこれまで、不良資産の評価損計上に積極的では なかったとの懸念がある」と説明した。

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