3月機械受注は前月比1.3%減、減少テンポ緩和と判断を上方修正(4)

国内民間設備投資の先行指標であ る船舶・電力を除く民需(コア機械受注)は、3月に前月比で2カ月 ぶりに減少し、1-3月期は4四半期連続のマイナスとなった。業績 の大幅な悪化や設備の過剰感を受け、企業の設備投資抑制が続いてい るが、減少ペースは鈍化している。内閣府はコア機械受注の基調判断 を「減少のテンポが緩やかになってきている」とし、2カ月連続で上 方修正した。

内閣府が15日発表した機械受注統計によると、3月のコア機械受 注(季節調整値)は前月比1.3%減の7279億円となった。前年同月比 では22.2%減。製造業は前月比21.8%増、非製造業は同3.1%減だっ た。ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、3月のコア機械受注 は予測中央値で前月比4.6%減、前年同月比27.7%減が見込まれてい た。

機械受注は各企業が設備用機械をメーカーに発注する段階で集計 するため、 実際の設備投資に半年程度先行するとされる。国内景気は 昨年10月以降急降下したものの、足元では生産の増加を受けて下げ止 まり感が出始めている。ただ、トヨタ自動車やソニーなど大手自動車・ 電機を中心に今期(2010年3月期)も赤字を見込む中で、新規の設備 投資には慎重にならざるを得ない状況だ。

マネックス証券の村上尚己チーフエコノミストは発表後、3月の コア機械受注は市場予想を若干上回ったものの、「今月は限定的なサプ ライズにとどまった」とした上で、「当面企業の設備投資削減の動きが、 在庫調整進展を背景とした生産回復の頭を抑えるリスクがある」と指 摘した。

統計発表後の東京外国為替市場の円の対ドル相場は午後3時12 分現在、1ドル=95円71銭。発表直前は同96円10銭近辺で推移し ていた。東京株式市場の日経平均株価の終値は前日比171円29銭高の 9265円02銭、債券先物市場の中心限月6月物は同10銭高の137円04 銭。

先行きも減少ペースが鈍化

1-3月期のコア機械受注は前期比9.9%減と、内閣府調査によ る4.1%増の見通しを大きく下回ったものの、過去最大となった10- 12月期の同15.1%減から減少幅が縮小した。4四半期連続のマイナス は01年1-3月期から02年1-3月期までの5四半期連続に次ぐ長 さ。製造業は前期比31.1%減と過去最大の落ち込みを記録した。非製 造業は同4.9%増だった。

また、内閣府が3月末に調査・集計したコア機械受注の4-6月 期の見通しは、前期比5.0%の減少となった。内訳は製造業が同5.1% 増、非製造業が同2.8%減の見通し。内閣府は4-6月期について、 近年見通しが実績よりも低く近年見通しが実績よりも低く出る季節性 を持っていることを踏まえ、今回から見通しの値の作成方法を変更し た。従来の方法で計算した場合、4-6月期は前期比 14.7%減の見通 しとなる。

GDPの設備投資は10-12月期に下げ止まりへ

大和総研の熊谷亮丸シニアエコノミストは「機械受注に3-4カ 月先行する一般機械メーカーの生産見通しの修正率は、3月以降大幅 に好転しており、機械受注が7-9月期には下げ止まる可能性を示唆 している」と指摘。「このことから、機械受注に3-6カ月程度遅行す るGDP(国内総生産)ベースの設備投資は10-12月期には下げ止ま るとみられる」との見方を示した。

一方、農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「今回の機械受 注は前月比マイナスとなったものの、輸出・生産に続き、設備投資関 連指標にも下げ止まりを模索する動きが始まった、と受け止められる 結果と言えるだろう」と評価する。ただ、企業業績の低調さや大幅な 設備過剰状態はしばらく継続する上、雇用・消費の悪化がこれから本 格化する可能性も高いことに触れ、「今しばらくは設備投資は低調なま までの推移が予想される」としている。

3月の機械受注を業種別にみると、製造業では一般機械、化学工 業、電気機械などが受注増加に寄与した一方、鉄鋼、その他輸送機械、 非鉄金属はマイナス要因となった。非製造業では、その運輸、金融・ 保険、通信がプラスに寄与する一方、他非製造業(卸・小売、不動産、 情報サービスなど)、農林漁業、電力などがマイナス要因となった。

日本企業の子会社を含め、海外からの機械の受注を示す外需は前 月比46.4%増と過去3番目の増加率を記録し、受注金額は4610億円 となった。機械受注の関連指標である4月の工作機械受注額の内需は 前月比 58.4%増と、3月の同7.5%減から急増していた。

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは4-6月 期について「製造業および外需からの機械受注は、少なくとも前期比 プラスに転じる可能性が高いだろう」と指摘。その上で、「機械受注は 1-3月期に底打ちし、4-6月期には緩やかな持ち直しの局面にシ フトしていく時期になると予想される」としている。