今日の国内市況:株式は連休前の水準に接近、債券大幅高-95円台半ば

東京株式相場は急反落し、日経平 均株価はほぼ大型連休前の水準に接近した。米小売売上高の減少や円高 の進行を受けて過剰な景気、業績への期待感が後退、輸出関連中心に東 証1部銘柄の84%が下落した。金融や市況関連の下げもきつく、輸出 関連とともに業種別下落率の上位を占めた。

日経平均株価の終値は前日比246円76銭(2.6%)安の9093円 73銭、TOPIXは26.09ポイント(2.9%)安の862.66。東証1部 の業種別33指数はすべて安い。

景気回復への期待感から急ピッチで上昇してきた相場に、実体経 済の厳しさが冷や水を浴びせた。朝方の大幅安後はほぼ安値圏でもみ合 い、売買代金は3日連続で低下した。在庫調整にはめどがついたが、今 後の最終需要の回復度合いを見極めたいとのムードが出ている。きょう の東証1部の売買高は23億2101万株、売買代金は1兆5894億円。

4月の米小売売上高は前月比0.4%減少し、ブルームバーグがま とめたエコノミスト予想の中央値(前月比変わらず)より悪化。4月の 米住宅差し押さえ手続き開始件数は2カ月連続で過去最高を更新した。

円高進行も株価指数の下げを拡大させた。この日は一時1ドル= 95円14銭と、3月20日以来の円高水準となった。多くの輸出企業は 2009年度の想定レートを1ドル=95円としており、この水準を超えて 円高が進むと日本株への警戒感が高まると指摘された。

東証1部の値上がり銘柄は216、値下がり1438。個別銘柄では、 バランスシートのき損から株価に割安感がないと見られたパイオニア、 野村証券金融経済研究所が10年3月期会社計画達成はほぼ不可能に近 いと指摘したNTNが急落。クレディ・スイス証券が格下げした三菱U FJフィナンシャル・グループは6営業日ぶりの600円割れ。09年12 月期業績予想を減額修正したシークスは、午後に一段安となった。

半面、10年3月期の年間配当は120円と前期に比べ10円増配す る計画のNTTは続伸。クレディ・スイス証券が09年3月期業績予想 の増額幅は予想を上回るポジティブサプライズと評価したトランスコス モス、10年3月期会社ベースのバリュエーションの割安さが見直され たフジシールインターナショナルはそれぞれ急伸した。野村証券金融経 済研究所が格上げしたコムシスホールディングス、トリドール、太陽イ ンキ製造、武蔵精密工業はいずれも人気化した。

債券は大幅高、40年債入札順調

債券相場は大幅高(利回りは低下)。前日の米国市場で4月の小 売売上高減少などを受け、景気楽観論がやや後退し、株安・債券高とな った流れを継続して買いが優勢だった。きょう実施の40年債入札結果 が順調となったことも好感された。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日比24銭高の136円74銭 で始まった。その後も買いが膨らみ、一時は53銭高の137円3銭まで 上昇して、7日以来の137円台を回復した。結局、44銭高の136円94 銭で引けた。日中売買高は2兆6633億円。

現物債市場で新発10年物の300回債利回りは、前日比2.5ベー シスポイント(bp)低い1.425%で始まった後、徐々に水準を切り下げ、

3.5bp低い1.415%まで低下した。その後は下げ幅を縮めて、午後2時 20分過ぎ以降は1.425%-1.43%で推移している。

超長期債相場が高い。新発20年債利回りは一時4.5bp低い

2.05%、新発30年債利回りは4bp低い2.18%まで低下した。

財務省がこの日に実施した40年利付国債(2回債、5月発行)の 利回り競争入札の結果では、最高落札利回りが2.22%となり、市場予 想の2.24%を下回った。応札倍率は3.85倍となり、前回債の4.19倍 から低下した。表面利率(クーポン)は2.2%となった。

円の上値重い、1ドル=95円半ば

東京外国為替市場では円の上値が重い展開となった。米景気の底 入れ期待がそがれ、朝方には高金利通貨などから円に資金を戻す動きが 先行したものの、急速な円の上昇スピードに対する警戒感から、一段の 円買いには慎重な姿勢が強まった。

ドル・円相場は早朝の取引で一時1ドル=95円14銭と、3月20 日以来の円高値を付けあと、徐々に円の上値が重くなり、いったん95 円台後半に軟化。午後は95円台半ば近辺でのもみ合いが続いていたが、 95円77銭まで水準を切り下げている。

円は対ドルで8日の安値から、この日の早朝に付けた高値までの 上昇率が9%を超えていた。

また、円は午前の取引でユーロに対して一時1ユーロ=128円87 銭と、4月29日以来の水準まで上昇した後に、129円台後半まで下落。 午後の取引で130円1銭まで水準を切り下げた。

前週末に米国で発表された4月の雇用統計で雇用の減少ペースが 鈍化したことから、景気の底入れ期待が広がっていた。しかし、前日に 発表された4月の米小売売上高が前月比横ばいとの市場予想に反して、 引き続きマイナスとなり、楽観論が後退する格好になった。

また、ユーロ圏鉱工業指数が1986年の統計開始以来で最大の落ち 込みとなったほか、イングランド銀行(英中央銀行)のキング総裁は 13日、英国の景気回復のペースが遅いなどの認識を示すなど、世界経 済をめぐる不透明感は根強い。

このため、リスク投資に積極的な姿勢は醸成されにくく、避難通 貨とされるドルに資金を戻す動きにも圧力がかかった。この日のユー ロ・ドル相場は一時1ユーロ=1.3526ドルと、4営業日ぶりの水準ま でドルが値を戻している。前日の取引では一時1.3722ドルと、3月 23日以来の水準までユーロ高・ドル安が進んでいた。