米国債:ほぼ変わらず、FRBの購入が下支え-10年債3.18%(2)

米国債相場はほぼ変わらず。一 段の景気悪化を警戒して株価が不安定な動きとなった一方、米連邦 準備制度理事会(FRB)が今週2度目の国債買い切りオペを実施 した。

10年債利回りは前日の取引で、FRBが国債買い取りプログラ ムを発表した3月18日以来で最大の低下となっていた。財務省の国 債入札が今週から2週間予定されていないことが背景。FRBはこ の日の買い切りオペで2012年5月から13年8月に償還期限を迎え る米国債を60億700万ドル相当購入。14日には10年5月から11 年2月に償還期限を迎える米国債を購入する。

プルデンシャル・インベストメントのチーフ債券投資ストラテ ジスト、ロバート・ティップ氏は「景気の基調に改善がみられ、大 量供給が控えていることから、FRBが買い取りプログラムを拡大 しない限り、米国債相場がより長期的に上昇するのは難しい」と述 べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時30分現在、10年債利回りは前日比3.18%。10年債 (表面利率3.125%、2019年5月償還)価格は99 18/32。

米国株式市場ではS&P500種株価指数が一時1.4%安まで下 げた後、最終的には0.1%安まで戻して引けた。

中国への期待

この日のFRB買い切りオペの規模は同様の銘柄を購入した前 回オペの70億ドルを下回った。これを受けて市場では、住宅ローン 金利(30年物固定)が5%を超えている現在、FRBの買い切りオ ペはより期間の長いものに集中するとの観測が強まった。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)であるR BSグリニッチ・キャピタル(コネティカット州グリニッチ)の金 利ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「FRBは金利を低く 抑えるために、米国債購入プログラムの対象銘柄を期間の長めのも のに調整する、あるいは異なるタイプの予防的措置を講じると考え られる」と述べた。

中国国家統計局が発表した2009年1-4月期の都市部固定資産 投資は、前年同期比30.5%増となった。増加率はエコノミスト予想 を上回り、世界的な景気悪化は最悪期を経過したとの見方が強まっ た。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「中国が今の苦境から救い出してくれると の期待が寄せられている」と指摘。「回復の芽生え理論に望みを託 し、事態は良くなりつつあると信じたい人は多い。実際のところ、 事態は悪化の度合いが弱まっているだけではないだろうか」と述べ た。

社会保障制度

ブルームバーグ・ニュースの月間調査によると、エコノミスト らは半世紀で最も深刻なリセッション(景気後退)に陥っている米 経済の回復見通しを下方修正し、失業率は2011年まで8%を上回る 水準が続くと予測している。

米国福祉制度の柱である社会保障制度とメディケア(高齢者向 け医療保険)の管財人は12日、両制度の財務健全性が悪化している とのリポートを発表した。ベビーブーマー世代が退職期を迎えつつ ある米国では、リセッション(景気後退)で社会保障税収が減少し ている。

同リポートによると、社会保障制度の信託基金は従来の見通し より4年早い2037年に資産が枯渇すると見込まれている。

オバマ大統領は7870億ドルの景気対策を打ち出し、減税やイ ンフラ投資などを通じて350万人の雇用保持、もしくは創出を目指 している。ブルームバーグの調査によると、今年の米財政赤字は対 国内総生産(GDP)比率で12.2%に急拡大するとみられている。 昨年は同5.8%だった。

ムーディーズ・キャピタル・マーケッツ・グループの主任エコ ノミスト、ジョン・ロンスキ氏は、「財政赤字の一段の拡大は信用 市場で歓迎されない。事態をかえって悪化させるリスクさえある」 と指摘。同氏はさらに、巨額の赤字は外国人投資家を遠ざけること になり、これ以上拡大すれば米国への資金流入が滞りかねないとし、 その場合は国債利回りが上昇し、「ドルの急降下を引き起こすだろ う」と述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE