日ロ首脳:原子力などの協力拡大で合意-領土は7月に議論(3)

麻生太郎首相は12日午後、ロシ アのプーチン首相との首相官邸での会談後、共同記者会見を行い、原 子力分野や極東・東シベリア開発などでの協力関係を拡大することで 合意したことを明らかにした。

日本側の関心事である北方領土問題については、麻生首相が「双 方に受け入れ可能な方策を模索する作業を加速させる」ことで一致した と指摘。7月にイタリアで行われる予定のメドベージェフ大統領との 首脳会談でこの問題について協議することを確認したことも明らかに した。

記者会見に先立ち、中曽根弘文外相とロシアのキリエンコ・ロス アトム社長が原発など民生分野での協力を進めるための原子力協定に 署名した。

麻生首相は、同協定について「戦略的意義を有する重要な協力分野。 発効すれば民間同士の協力が進展することが期待される」とその意義を 強調した。プーチン首相も「原子力分野における協力を建設的かつ幅広 く展開するために協定が必要だ」と語った。

プーチン氏の来日は大統領時代の2005年11月以来、約3年 半ぶりで、昨年5月の首相就任後は初めて。世界的な経済危機の影 響でロシアも苦境にあえぐ中、今回の訪日は技術協力など日本との 経済関係を強化して経済成長を支えるねらいもあるとみられる。

メドベージェフ大統領との「双頭体制」で、プーチン氏はエネルギ ー分野を含めた経済関係を主に担当している。12日は首脳会談に 先立ち、日ロ両国の財界人らとの経済フォーラムで講演、この中でロ シアは輸出主導の経済から「イノベーション」主導に転換するという 「戦略的選択をした」ことを紹介。その上で、「イノベーションの分野 でロ日協力の余地がある」と指摘、特に原子力と通信分野の協力強 化を挙げた。

同氏はまた、極東でのエネルギー開発に加え、サハリンからハバ ロフスク、ウラジオストクに至る鉄道計画などの運輸面での協力、 2012年にウラジオストクで開催されるアジア太平洋経済協力会議 (APEC)に向けてのプロジェクトに日本企業が参加することや、林 業、農業など幅広い分野での協力を呼びかけた。

北方領土は7月の首脳会談で議論

麻生首相は会見で、プーチン首相から「世界の力関係が早く変化し ている中で、過去の負の遺産を早く取り除くことを日本と同様に強く 望んでいる」との発言があったと紹介。「プーチン首相も問題の最終解 決に強い意向を有していることを確認されたことは大変有意義だった」 と会談の成果を強調した。

これに対し、プーチン首相は「ロシアはこの問題を話し合う用意が ある」とした上で、7月の首脳会談で日本国内でも取りざたされた「3.5 島返還論」を含む「あらゆるオプションが話し合われることになる」と述 べた。

--共同取材:Lyubov Pronina--Editor: Hitoshi Sugimoto

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