NY外為:ユーロ上昇、1カ月ぶり高値-ECBの政策決定評価(2)

7日のニューヨーク外国為替市場 では、ユーロがドルに対して1カ月ぶり高値まで上昇。欧州中央銀行 (ECB)が政策決定会合で合意した600億ユーロ規模の債券購入 計画は、通貨価値の低下につながらないと受け取られたことが背景。

一方、ポンドは7日ぶりに下落。イングランド銀行は金融政策委 員会(MPC)で、英国債などの資産を買い取るプログラムの規模を 従来から500億ポンド拡大し、1250億ポンドにすると発表した。 ユーロは対円で3日にぶりに上昇。

英銀バークレイズのアナリスト、デービッド・ウー氏(ロンドン 在勤)は、「ECBが公約した債券買い取り額は600億ユーロ程度 とかなり少額であり、現時点では政策の方向性は不明瞭だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時9分現在、ユーロは対ドルで0.4% 高の1ユーロ=1.3384ドル(前日は同1.3334ドル)。一時は同

1.3470ドルと、4月6日以来の高値を付けた。ユーロは対円では 1.1%高の1ユーロ=132円57銭(前日は131円10銭)。ドル は対円で0.8%高の1ドル=99円6銭(前日は同98円31銭)。

TDセキュリティーズの主任通貨ストラテジスト、ショーン・オ ズボーン氏(トロント在勤)によると、ユーロの対ドル相場は200 日移動平均1ユーロ=1.3474ドル水準に売り注文が控えていたため 頭を押さえられた。

ECBのトリシェ総裁は金融政策決定後の記者会見で、「金融緩 和策」としてカバードボンドを購入する計画を発表したほか、0.25 ポイントの利下げは適切な措置と語った。債券購入計画の詳細は来月 発表される。

カバードボンド

カバードボンドは不動産向け融資や公的部門への融資債権を担 保とした債券で、借り手が返済を保証している点で住宅ローン担保証 券(MBS)とは異なり、歴史的に最も安全な社債と見なされてきた。

三菱東京UFJ銀行のグローバル為替調査部門欧州責任者、デレ ク・ハルペニー氏と同アナリスト、リー・ハードマン氏は7日付顧客 リポートで、ECBの債券購入計画の規模はユーロ圏のGDP(国内 総生産)の0.8%に相当する一方、英国の計画は同国GDPの10%、 さらにFRBの計画は米国GDPの12.5%に相当すると指摘した。

ユーロ相場の見通し

両ストラテジストは、「金融市場と世界経済は改善しつつあり、 ECBは1カ月前よりも、積極的な金融緩和政策に反対の立場を取 る可能性がある」と指摘。「通貨不安が払拭された現状、当社は引 き続き、ユーロの対ドル相場は安定的に1ユーロ=1.40ドルに向か って上昇を続けるとみている」と付け加えた。

3月18日には、FRBが最大3000億ドルの国債を買い取る金 融緩和策を発表したことを受け、ドルは対ユーロで3.4%の大幅下 落を記録していた。

トリシェ総裁は、今回の決定は信用市場がより良く機能すること を目指した措置であり、金融緩和策ではないと述べた。

RBSグリニッチの国際通貨戦略北米責任者、アラン・ラスキン 氏は、FRBの国債買い取りとの「最大の相違点は、ECBが今回 の決定を金融システムへの新たな流動性の注入と受け取られないよう にしていることだ。市場はユーロにとってプラスの策ととらえてい る」と指摘した。