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日立:前期最終赤字が7800億円に拡大-繰り延べ税金資産評価減で(3)

総合電機メーカー国内最大手の日立 製作所は7日、前期(2009年3月期)の連結純損益が7880億円の赤字 になったもようだと発表した。従来予想は7000億円の赤字だったが、 今期(10年3月期)の業績見通しが厳しいことから、将来の利益を見 込んで計上していた繰り延べ税金資産を一括して取り崩したのが理由。

前の期は581億円の赤字だった。売上高は前の期に比べて11%減 の10兆円でほぼ予想通り。営業利益は1270億円で、従来予想の400 億円から上方修正した。高機能材料や電力産業システムなどの事業の 損益が予想を上回ることが要因だが、前の期に比べると88%の大幅減。

日立は過去最大の赤字を受けて今期から大規模な構造改革に着手 することを表明済み。7月には自動車関連機器と家電の2分野で、事 業の一部を分社化するほか、拠点集約・閉鎖や他社との提携なども進 め、今期に固定費で約2000億円、資材費で約3000億円を削減する方 針だ。会見した三好崇司副社長は、業績の一層の悪化を受けて、「計画 の一部前倒しも検討する」と述べ、改革を急ぐ考えを示した。

三好氏は「今期も楽観的な見方はできないので、繰り延べ税金資 産の残高を抱えているとリスクが残る。このため一括処理して残高を ゼロにした」と説明。特に年内が厳しいとの見方を示し、「年末から第 4四半期は少しは期待できるのではないか」と述べた。繰り延べ税金 資産は損金として計上できることを前提に前払いした税金分を資産と して積んで置く会計処理。利益が出ないと費用に計上する必要がある。

最終赤字拡大で資本増強の必要性を問われた三好氏は「自己資本 がかなり傷んでいるのは事実」と述べたものの、公的資金で一般企業 を支援する政府の新制度は、「日立本体として使うことはないと思う」 と語った。日立の川村隆会長兼社長は4月、55%を出資する半導体メ ーカーのルネサステクノロジの申請は「選択肢の1つ」と語っていた。

日立製作所株の株価は午後2時半ごろから上げ幅を拡大し、前営 業日比25円(7.3%)高の370円で取引を終えた。

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