東京外為:円弱含み、米経済の不透明感緩和-リスク許容度改善期待

朝方の東京外国為替市場では円が 弱含みに推移している。米金融機関のストレステスト(健全性審査) をめぐる不透明感が緩和したほか、雇用市場の底打ち期待も生じてい ることから、投資家のリスク許容度改善見通しを背景に外貨買い・円 売りに圧力がかかりやすくなっている。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英チーフFXストラテ ジストは、ある程度資本増強が必要な金融機関の名前が挙がり、増強 の規模まで具体的に出てくるなど、不透明感が和らいでいると指摘。 米国の雇用情勢に関しても民間の調査結果を受けて「悪化が止まる」 という期待感が生じており、リスク選好的な動きから円が売られやす くなるとみている。

ドル・円相場は朝方の取引で1ドル=98円台後半と、前日のニュ ーヨーク時間午後遅くに付けた98円31銭から円安方向に振れて取引さ れている。

米ストレステストの不透明感緩和

米国で6日までに複数関係者の話として明らかになったところに よると、金融機関のストレステストでは、一部の金融機関は今後2年 間に起こりうる損失に対して増資の必要はないと認定されたもよう。

ストレステストの不透明感が緩和したことから、前日の米株式相 場は金融株を中心に上昇。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オ プション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は 昨年9月以来の水準まで低下しており、投資家のリスク許容度が回復 する可能性が示されている。

また、給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プ ロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが6日に発表し た給与名簿に基づく集計調査では、4月の米民間部門の雇用者数が前 月比49万1000人減少と、減少幅が前月の70万8000人減(速報値74万 2000人減)から縮小している。

ECB会合を見極め

一方、この日は欧州中央銀行(ECB)の政策決定会合を控え て、一段の金融緩和が観測されていることから、日米との金利差縮小 見通しを背景にユーロ売りに圧力がかかりやすい面もある。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、ECB は今回の会合で、政策金利を1%に引き下げる見通し。市場では、ト リシェ総裁が会合後の記者会見で、一段の利下げや、国債購入など非 伝統的な手段を示唆するかが焦点となっている。

大和証の長崎氏は、次の一手として何らかの流動性供給に関する 進展が見込まれているものの、ECB内部で意見がまとまっていない といった感が残ると指摘。これ以上何もしないということであれば、 景気に対する不安心理も生じかねないとして、「ユーロにとっては一 番よくない」ともいい、政策の不透明感がユーロの重しになるとみて いる。

ユーロ・ドル相場は前日の取引で一時1ユーロ=1.3247ドルと、 2営業日ぶりの水準までユーロが下落。この日の東京市場では1.3300 ドル前後で引き続き上値の重い展開となっている。

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