5月4日の海外金融・株式・為替市場-英国市場は休場

○米国株:米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は年初からの下 落分を帳消しにした。米国の中古住宅販売成約が市場予想を上回り、 中国の製造業活動が9カ月ぶりに拡大したため、世界的なリセッショ ン(景気後退)が弱まっているとの見方が高まった。

ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストが金融業界 の投資判断を引き上げたため、金融株が高い。ウェルズ・ファーゴは 23%高。資産家ウォーレン・バフェット氏が「すばらしい銀行」と評 したことが好感された。金属相場の上昇を背景にアルコアやフリーポ ート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドが大幅高。レナーは

9.3%高と、S&P住宅建設株指数のけん引役となった。

モルガン・アセット・マネジメントで300億ドルの資産運用に携 わるウォルター・ヘルウィグ氏は「雪だるま式の好転だ。良好な経済 指標が発表されるごとに状況が良くなっている。現金相当資産からリ スク資産に資金が流れている」と指摘した。

S&P500種株価指数は前週末比3.4%高の907.24で終了した。 2008年は38%安と1937年以来で最悪。1度も07年末時点の水準 を上回ることはなかった。ダウ工業株30種平均はこの日、214.33ド ル(2.6%)上げて8426.74ドルで終えた。先進23カ国で構成する MSCI世界指数は3%上昇し、年初からの下げを埋めた。

3月安値からの回復

S&P500種は12年ぶり安値を付けた3月9日から34%上昇し ている。米政府による銀行の不良資産処理がリセッションの終えんに つながるとの見方が背景。1-3月(第1四半期)の企業決算が市場 予想を上回っていることも買い材料。決算を発表したS&P500種構 成企業のうち、3分の2以上がアナリスト予想を上回った。

年初来の動向をS&P500種のセクター別でみると、情報技術 (IT)、素材、一般消費財・サービスの各指数が上昇。いずれも上 昇率は10%を超えている。ホール・フーズ・マーケットやサン・マイ クロシステムズなど8銘柄は株価が2倍になった。

S&P500種の過去2カ月の上昇は銀行や自動車、小売りなど景 気敏感株がけん引。一方、景気動向に左右されにくいディフェンシブ 株が後れを取っている。3月9日以降の上昇率はヘルスケア株指数が 13%、食品やたばこなどで成る生活必需品セクターが15%と、S&P 500種全体の半分にも満たない。

金融株指数は過去2カ月に88%上昇している。08年は57%下げ ていた。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン市場の 崩壊に伴い、金融機関の損失が1兆4000億ドル(ブルームバーグの データ)に膨らんだことが背景。

S&P500種は07年10月に付けた最高値1565.15をなお42% 下回っている。

経済指標好転

この日は全米不動産業者協会(NAR)が発表した3月の中古住 宅販売成約指数を好感して買いが入った。同指数は前月比3.2%上昇。 ブルームバーグがまとめた3月のエコノミスト予想中央値は前月比変 わらずだった。

米商務省が発表した3月の建設支出(季節調整済み、年換算)は 前月比0.3%増と、6カ月ぶりに増加に転じた。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミストの予想値は1.6%減だった。民間、政 府ともに増加した。

金融株

この日のS&P500種の金融株指数は10%高と、全10セクター で最も上げた。

ウェルズ・ファーゴは24%高。保険・投資会社、バークシャー・ ハサウェイを率いるバフェット氏はウェルズの最大株主。同行全体を 買収する意欲はあるとしたものの、規制当局からの承認が得られそう にないことを理由に不可能だとの認識を示した。2日のバークシャー 年次株主総会で話した。

一方、同氏はシティグループの損失が米銀の評価に対する一般の 認識をゆがめていると指摘した。

ゴールドマンのストラテジスト、デービッド・コスティン氏は金 融株の投資判断を引き上げた。景気対策のほか、1-3月(第1四半 期)の銀行決算が予想より良かったことが理由。

ジョーダン・オポチュニティ・ファンドを運用するジェリー・ジ ョーダン氏は「景気は底入れした。銀行のバランスシートにある資産 価値は回復している。そのため、銀行株の価値は以前よりも高まって いる」と述べた。

○米国債:米国債相場はほぼ変わらず。この日は米連邦準備制度理事 会(FRB)が国債買い取りプログラムに基づき85億ドルの国債を購 入した。3月に買い切りオペが始まって以来で最大規模の購入だった。

米財務省は今週、710億ドルの中・長期国債入札を控えている が、FRBの買い取りが過剰供給懸念の緩和につながった。10年 債は先週末にかけて6週連続下落と、過去約2年で最長の連続安。 金融安定化策や景気刺激策、さらに過去最大に膨れ上がった財政赤 字に対応するため、財務省はかつてないほど大量の10年債を発行 している。

モルガン・スタンレーの米金利ストラテジー担当責任者ジム・キ ャロン氏は「FRBが経済動向を監視し、また懸念しているというこ とを市場参加者は感じ取っている」と語った。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時54分現在、10年債利回りは前営業日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)低下して3.15%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は1/32上げて96 20/32。

財務省は5日に3年債(350億ドル)、6日に10年債(220億ド ル)、7日に30年債(140億ドル)の入札を実施する予定だ。先週は 1010億ドルの入札が実施された。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)のゴールド マン・サックス・グループの試算によると、2009年度(9月まで)の 財務省の所要借入額は差し引きで3兆2500億ドル。

FRBはこの日、7年債(表面利率2.625%、償還期限2016年4 月)を48億7900万ドル購入し、同10年債(表面利率2.75%、2019 年2月償還期限)を10億ドル買い取った。

今週の入札

FRBは3月25日から始まった15回の買い切りオペで総額852 億6700万ドルの国債を購入した。FRBは3月18日、6カ月間で最 大3000億ドルの国債買い取り計画を表明した。

連邦公開市場委員会(FOMC)は4月29日に発表した声明で、 国債の買い取り規模の拡大には言及せず、「3月の前回会合以降に入 手した情報は、経済の縮小継続を示しているものの、そのペースは幾 分か緩やかになったように見受けられる」と述べた。

ブルームバーグがまとめたデータによると、主要7カ国の国債市 場ではいずれも、10年債利回りが2年債利回りを少なくとも1ポイン ト上回っている。トレーダーが景気回復を見込むと利回り曲線は通常、 スティープ化する。

投資家の見方

BB&Tアセット・マネジメントのブラッド・エッパード氏は 「過去数週間、市場参加者の間で景気に対する楽観が広がり、利回り が上昇していた」と述べた上で、「経済はまだ完全復活ではない。こ の先もまだ困難な局面があるだろう」と続けた。

エッパード氏によると、同社の保有する国債は短期債が多い。同 氏は近く、短期債を売却し、高利回り資産に資金を移すだろうと述べ た。

金融機関の損失計上に対する不安から、投資家は逃避先としての 国債を購入してきた。メリルリンチのデータによると、米国債は昨年、 14%上昇し、1995年以来の大幅高を記録した。

米政府は大手米銀19行について、一段の景気悪化を乗り切るため に資本増強が必要かどうか判定するストレステスト(健全性審査)の 結果を7日に発表する。従来は4日発表の予定だった。

○NY外為:円がユーロに対してほぼ3週間ぶり安値まで下落。ドル も下落した。3月の米中古住宅販売成約指数が3.2%上昇したことで、 経済不振が緩和されつつあるとの見方が広がり、高利回り資産への買 いが強まった。

オーストラリア・ドルと南アフリカのランドはドルに対して昨年 10月以来の高値まで上昇。中国の経済指標が製造活動拡大を示唆する 内容となったことで、世界的な金融不安からの逃避先としてのドル需 要が後退した。メキシコ・ペソは新型インフルエンザ(豚インフルエ ンザ)が発生した先週からの下落分を取り戻した。メキシコのカルデ ロン大統領は3日、政府は感染拡大措置を取っており、できるだけ早 く正常な状態に戻れるよう努力していると語った。

BNPパリバ・セキュリティーズの通貨ストラテジスト、セバス チャン・ゲーリー氏(ニューヨーク在勤)は「リスク志向の高まりに 拍車が掛かっており、これまでとは異なる段階に突入しそうな勢い だ」と語った。

ニューヨーク時間午後4時25分現在、円は対ユーロで0.7%安の 1ユーロ=132円57銭(前週末は131円59銭)。一時は同132円 88銭と、4月14日以来の安値を付けた。円は対ドルで1ドル=98円 89銭(前週末は同99円11銭)。ドルは対ユーロで1%安の1ユー ロ=1.3406ドル(前週末は同1.3273ドル)。一時は同1.3425ド ルと、4月6日以来の安値まで下げた。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は0.8%下げ、

83.859。過去2カ月では5%下落している。

オーストラリア・ドルは対米ドルで一時1.4%高の1オーストラ リア・ドル=74.10米セントと、昨年10月6日以来の高値まで上昇。 香港に拠点を置く証券会社CLSAアジア・パシフィック・マーケッ ツの調査によると、中国の製造業活動が4月に9カ月ぶりに拡大に転 じた。同社が4日電子メールで発表した4月の中国製造業購買担当者 指数(PMI、季節調整済み)は50.1と3月の44.8から上昇し、 活動拡大・縮小の分かれ目を示す50を上回った。

ランド対ドル

南アフリカのランドは対ドルで一時3.2%上昇。過去2カ月では オーストラリア・ドルは13%、南アフリカ・ランドは25%と、それ ぞれ対ドルで上昇した。

RBCキャピタル・マーケッツのシニア通貨ストラテジスト、デ ービッド・ワット氏(トロント在勤)は「市場参加者は高リスク資産 を買い持ちとすることに抵抗を持っていない。世界的に景気底入れの 兆しが見られる中、市場は景気動向に連動する通貨を下支えするスト ーリーを組み立てている」と指摘した。

円は南アフリカのランドに対して2.4%下げ、対オーストラリ ア・ドルでも1%下げた。米国株の上昇を背景に、投資家が低金利の 円で調達した資金を高利回り資産に投じるキャリー取引を再開すると の見方が強まった。

日本の政策金利が0.1%、米国が0-0.25%であるのに対し、オ ーストラリアは同3%、南アフリカは同8.5%となっている。

通貨の予想変動率

JPモルガンチェース・インデックスによると、主要7カ国通貨 を対象としたインプライド・ボラティリティ(予想変動率)の指標は

13.77%と、昨年9月以来の低水準となった

○英国債:英国債市場はバンクホリデーの祝日で球状。5日に取引を 再開する。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債相場が下落。世界的なリセッシ ョン(景気後退)が最悪期を過ぎたとの楽観的見方から株式相場が上 昇し、安全投資としての国債需要が減退した。

中国の製造業購買担当者指数が上昇したほか、原油価格が1カ 月ぶりの高値を付けたのを好感して株式が買われ、MSCIワール ド指数は4日連続高となった。これを背景にドイツ10年債の利回り は2週間ぶりの水準に上昇。一方、欧州連合(EU)がユーロ圏の 成長率予想を下方修正したほか、ドイツの小売売上高が予想外に減 少したことで、ドイツ国債の下げは限定的とみられている。

コメルツ銀行の金利ストラテジスト、デービッド・シュノーツ 氏(フランクフルト在勤)は、「リスク志向が戻ってきているため、 国債の魅力がやや薄れている」と指摘。「利回りは上昇しているも のの、弱い経済データに幾分か押されるはずだ。相場の短期的なト レンドは横ばいだ」と述べた。

フランクフルト時間午後5時20分現在までに、10年債利回り は前営業日比8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、 4月20日以来で最高の3.25%。同国債(表面利率3.75%、2019 年1月償還)価格は同0.60ポイント下げ104.16。2年債利回りは

1.40%と、前営業日から7bp上げた。

--*ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net

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