GMも破産の公算、政権は債権団より労組重視-クライスラーは実験台

米自動車大手ゼネラル・モーター ズ(GM)の破産申請の可能性が高まっている。同業のクライスラー について、米オバマ政権は労働組合の医療費基金の保護を優先し破産 申請を容認した。GMについても同様の結果となる公算大だ。

GMと大口債券保有者は、270億ドル(約2兆6800億円)相当 の無担保債務の再編で合意に達していない。破産申請回避のための債 務再編の期限は6月1日。クライスラーの例を見る限り、オバマ政権 は債権者の譲歩を迫るために破産法を活用する公算が大きいと、社債 投資会社フリッドソン・インベストメント・アドバイザーズのマーテ ィン・フリッドソン最高経営責任者(CEO)は予想している。

クライスラーは4月30日、連邦破産法11条に基づく会社更生 手続きの適用を申請した。有担保債務69億ドル相当を現金22億 5000万ドルに交換する案で債権団の合意を得られず、破産申請に至 った。退職した労組組合員の医療費基金はクライスラー株55%を保 有することになっている。

フリッドソン氏は、クライスラーの例は「オバマ政権が債券保有 者よりも労組の方に配慮するだろうというかねてからの懸念を裏付け た」として、「GMの債券保有者も破産裁判所外での交渉は無理だと いうことが明らかになった」と話した。

GMの債券保有者は4月30日に、270億ドルの無担保債務をG M株58%に交換する案を提示した。GMの案は債券保有者が株式 10%、200億ドルの無担保債権を持つ労組医療費基金が100億ドル の現金に加えGM株の最大39%を得る内容。

GMと全米自動車労組(UAW)、米財務省の広報担当者はコメ ントを控えた。債券保有者の広報担当者には連絡が付いていない。

GMは先週、米政府からの100億ドルを含め債務を440億ドル 圧縮することなどにより来年、営業黒字に復帰する案を示し、米政府 からの融資154億ドルの継続と追加融資116億ドルを求めた。

格付け会社イーガン・ジョーンズ・レーティングスのショーン・ イーガン社長は「クライスラーが実験台であることは明らかだ」とし て、「経済や雇用への影響という点で、クライスラーはGMで起こり 得ることの縮図」であることから、実験台となるのは既定の路線だっ たと解説した。

GMは債券保有者に元本1000ドル当たり225株を提案している。 少なくとも90%が提案を受け入れなければ、必要な債務圧縮は実現 できない。債券保有者が示している代替案は保有者がGM株58%を 得る一方、労組の医療費基金の持ち分は41%となる案。コンサルテ ィング会社カセサ・シャピロ・グループのマネジングパートナー、ジ ョン・カセサ氏は、たとえ合意に向けた機運が盛り上がったとしても 数千人の債券保有者を取りまとめる時間はないだろうと指摘している。

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