債券は小幅高か、物価や雇用など弱い指標が支え-株価動向注目(2)

債券相場は小幅高(利回りは低 下)が予想される。朝方発表される経済指標では物価の低下や雇用悪化 を示すとみられ、債券の買い材料となりそう。前日の米国株相場は、自 動車大手クライスラーが破産法適用を申請したことで軟調となっており 、国内株価の上値が重いと、これも支えになる。

みずほインベスターズ証券チーフマーケットアナリストの井上明彦 氏によると、前日に急伸した後だけに国内株相場が調整色を強めれば、 債券市場は「先物中心に買いが優勢になる可能性がある」という。もっ とも、「海外市場の状況および大型連休を前に、持ち高調整の取引中心 の動きになる」との見方も示している。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日の通常取引の終値136円 99銭を若干上回って始まった後、日中は136円80銭-137円20銭程 度のレンジが予想されている。4月30日のロンドン市場で6月物は、 東京終値に比べて1銭高の137円00銭で引けた。

日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、前 日の相場は下げたが現物債はやはり底堅かったと指摘。「クライスラー の連邦破産法11条申請は最終的に大きな影響はなく、前日の米国市場 は小動き。ただ、2年債利回りは低下した」と指摘する。

朝方発表される3月の消費者物価指数(CPI)、家計調査、完全 失業率など月次の経済指標が注目される。ブルームバーグ・ニュースの 調査によると、3月の全国コアCPIは前年比0.2%低下と、マイナス 転換する見通し。3月の消費支出は前年比2.5%減少(前月は3.5%減 少)、失業率は4.6%(前月は4.4%)、有効求人倍率は0.55倍(前 月は0.59倍)が見込まれ、足元景気の弱さを示しそう。

こうしたなか、4月30日の米国株式相場は下落。石油のエクソン モービルを中心にエネルギー株が売られたほか、クライスラーが破産法 適用の申請に追い込まれたのが売り材料となった。一方、米国債相場は 続落したものの、金融政策の影響を受けやすい2年国債は上昇した。

クライスラーは30日、ニューヨーク市の裁判所に連邦破産法11 条に基づく会社更生手続きの適用を申請した。イタリアのフィアットと の提携を含む再編を通じ、事業を簡素化し債務を圧縮することが狙い。

前日の先物相場は下落。米国市場で景気底入れ期待から株高、債 券安となったほか、日本でも鉱工業生産が堅調だったことが材料視され た。国内株価の反発を受けて、売り圧力が強まった。6月物は28日終 値比31銭安の136円99銭で引けた。日中売買高は2兆7757億円。

新発10年債利回りは1.4%台前半か

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、前日終値1.43% を若干下回る水準で始まり、日中ベースでは1.4%台前半での取引が見 込まれる。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「大 型連休を控えて方向感は出にくいものの、イベントリスクを勘案した押 し目買いが長期金利の上限を抑制する」とみている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、4日発表の予定だった大手金 融機関19社に対するストレステスト(健全性審査)の結果発表を延期 する。複数の政府当局者や業界幹部が30日明らかにした。

日本相互証券によると、30日の現物債市場で新発10年物の299 回債利回りは、28日終値より2.5ベーシスポイント(bp)高い

1.435%で始まった後、いったんは1.45%まで上昇した。しかし、午 後は徐々に水準を切り下げ、1.42%まで上げ幅を縮小。結局、2bp高 い1.43%で引けた。

一方、10年物国債の299回債利回りは、東京時間の前日午後3時 時点で、大和証券SMBC、日興シティグループ証券、みずほ証券、三 菱UFJ証券各社の平均値であるブルームバーグ公社債基準価格(BB YF)によると1.421%だった。

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