米国債:続落、月間マイナス-景気底入れ観測と増発懸念の挟撃(2)

米国債相場は続落。月間ベースで は1月以降最大の下げとなった。リセッション(景気後退)が峠を越 した兆候が増えたほか、米国債の増発ペースが加速するとの見方が強 まっている。

ブルームバーグのデータに基づく各国政府債のパフォーマンス比 較によると、4月は米国債が最悪だった。米連邦公開市場委員会(F OMC)は29日、「経済見通しはやや持ち直した」との判断を示し、 米国債買い取り規模の拡大には踏み切らなかった。米財務省は今週、 総額1010億ドルを入札。来週の四半期定例入札では710億ドルを予定 している。

サントラスト・バンクの個人資産管理部門で100億ドルの債券資 産運用を監督するアンドルー・リッチマン氏(フロリダ州パームビー チ在勤)は、「大恐慌の再来には至らないとの見方に供給増加の観測 が重なり、米国債利回りは上昇した」と指摘。「利回りはファンダメ ンタルズではなく不安感によって、不自然に低くなっている」と付け 加えた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時50分現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇して3.12%。月間では47bpの上 昇。10年債(表面利率2.75%、2019年2月償還)価格は13/32下げ て96 28/32。

30年債利回りは同2bp上昇して4.05%。一時は昨年11月以来 で最高の4.09%に達した。月間ベースでは54bpの上昇。

米国債買い切りオペ

米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、2019年8月から 2023年8月に償還期限を迎える米国債30億2500万ドル相当を買い入 れた。これを受けて米国債は一時、一段安となった。FRBは当初、 2026年2月までの米国債を買い切りオペの対象としていた。ニューヨ ーク連銀の発表によると、対象15銘柄のうち、実際に購入したのは9 銘柄だった。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジスト、 カール・ランツ氏は「利回りがここまで上昇しているため、FRBは利 回り上昇抑制を望む強い意思表示として、70億ドル相当を買い入れる のではとの期待もあった。言葉よりも行動の方が多くを語るとの思いが あったからだ」と述べた。

シカゴ購買部協会が発表した4月のシカゴ地区の製造業景況指数 (季節調整済み)は40.1と前月の31.4から上昇、生産活動の縮小ペ ースが緩やかになってきたことを示した。同指数は50が生産の拡大と 縮小の分岐点を示す。

「景気底打ちの感触」

米労働省が発表した25日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は、前週比1万4000件減の63万1000件。一方、 米商務省発表の3月の個人消費支出(PCE)は前月比0.2%減少した。

米国株式市場ではS&P500種株価指数が月間ベースで上昇。こ の日は自動車大手クライスラーの破産法適用申請などを受けて、前日比 では下げて引けた。

みずほ証券USAの米国債トレーディング責任者、セオドア・エー ク氏は「市場は景気底入れの感触を得つつある」と指摘。「つまり金利 上昇が間近に迫っているということだ」と付け加えた。

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