債券は下落、日米景気の底入れ期待-株反発で先物中心に売り(終了)

債券相場は下落(利回りは上昇)。 米国では景気底入れ期待から株高、債券安となったほか、日本でも鉱工 業生産が堅調だったことが材料視された。現物市場の取引が総じて手控 えられるなか、国内株価反発を受けて先物中心に売り圧力が強まった。

DIAMアセットマネジメントの山崎信人エグゼクティブファン ドマネジャーは、生産面からは景気が最悪期を脱したとの見方を市場が 意識する展開だったと指摘。「米金融機関に対するストレステスト(健 全性審査)の結果公表をはじめ、今年の連休中にはイベントが多いため 新規取引は控えられた」ともいう。

東京先物市場の中心限月6月物は、28日終値より41銭安い136 円89銭で始まり、株高を受けて売りが膨らむと一時は136円60銭ま で下げ幅を拡大させた。しかし、午後は136円70銭台で下げ渋り、結 局は31銭安の136円99銭で引けた。日中売買高は2兆7757億円。

米国では1-3月の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速 報値が前期比年率6.1%減少したが、個人消費は過去2年間で最高の伸 びを示した。また、日本の3月の鉱工業生産指数は前月比1.6%上昇と 6カ月ぶりに上昇に転じたほか、予測指数は4月が4.3%上昇、5月は

6.1%上昇となるなど、日米で景気指標に改善の兆しが示された。

こうしたなか、米株市場ではダウ工業株30種平均の終値が2月9 日以来の高値圏に到達し、日経平均株価も一時は4%超も上昇した。大 和住銀投信投資顧問の横山英士ファンドマネジャーは、国内株価はこれ まで午後に失速するパターンが多かったが、鉱工業生産が予測も含めて 強かったことで持ちこたえたといい、「米国の金利上昇なども含めて国 内債券は外部環境の変化を反映して売り込まれた」と指摘した。

もっとも、投資家が現物売りで追随していないことから、債券先 物も午前に売りが一巡すると下げ渋る展開だった。市場では「債券先物 売りに積極的なのはCTA(商品投資顧問)など株価との裁定取引を手 掛ける向きが中心」(ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト) のため、追加的な材料なしには下げ余地は限定的とみられた。

10年債利回りは一時1.45%

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、28日終値より

2.5ベーシスポイント(bp)高い1.435%で始まった後に売りが優勢 となると一時は1.45%をつけた。しかし、午後には1.44-1.445%で もみ合いとなり、その後は1bp高の1.42%まで上げ幅を縮めた。

4月半ば以降には投資家から期間収益確保を狙った買いが入り、 その後に月末接近に伴う保有債券の年限長期化需要もあったが、こうし た買いはひとまず一段落したもようだ。ドイツ証の山下氏は、5月12 日に10年債入札が実施されることもあって、投資家が連休の谷間に買 いで動いてくるとは考えづらいといい、「この間に10年債でみて

1.4%台のレンジを突破することはなかろう」との見方を示した。

日銀は金融政策据え置き

日銀はこの日に開催した金融政策決定会合において政策金利を

0.1%前後に据え置き、長期国債の買い入れ額も月1.8兆円に維持した。 今回の会合における金融政策の現状維持は予想通りと受け止められたた め、この日の相場への影響はほとんど見られなかった。

また、日銀がその後に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポ ート)によると、実質GDP(国内総生産)成長率の「中央値」は 2008年度がマイナス3.2%、09年度がマイナス3.1%、10年度がプ ラス1.2%となった。消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率の見通 しは08年度がプラス1.2%、09年度がマイナス1.5%、10年度がマ イナス1.0%だった。

大和証券SMBCの岩下真理チーフマーケットエコノミストは、 GDPについては経済対策効果で緩やかな回復基調との見方を示してい るが、CPIに関してはデフレ悪化を警戒しているといい、「利上げに 向かう兆しは全くない」との見方を示した。

中期債相場は相対的にしっかり。5年物の82回債利回りは一時3 bp高の0.84%をつけたが、午後に入って0.5bp高の0.815%まで戻 したほか、2年物の280回債は1.5bp低下の0.38%まで買われた。D IAMアセットマネジメントの山崎氏は、実体経済の回復度合いや需給 動向を見極めるまで持久戦の様相だとみるが、「物価下落の見通しのも とで利上げがないとみれば短中期債が買われやすい」との読みだ。

--取材協力:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Norihiko Kosaka

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