日本株(終了)輸出主導で急反発、世界経済底入れ期待-円高一服も

東京株式相場は大幅反発。米国で 個人消費の改善が示され、欧州ではユーロ圏景況感指数が上昇転換、 国内でも朝方発表された3月の鉱工業生産指数が前月比で6カ月ぶり に上昇し、世界経済の底入れ期待が広がった。外国為替相場で円高が 一服したことも好感され、輸出関連株を中心に幅広い業種が高い。

日経平均株価の終値は前営業日比334円49銭(3.9%)高の8828 円26銭、TOPIXは同25.80ポイント(3.2%)高の837.79。東 証業種別33指数はすべて上昇。

ちばぎんアセットマネジメントの長壁啓明ファンドマネージャー によると、金融危機の震源地となった米欧で実体経済の底入れを示す 指標が増え始め、日本でも期待通り鉱工業生産指数が改善したことで、 「景気の最悪期は過ぎ去ったとして、投資家はひとまず目先のリスク 許容度を高めつつある」という。

米欧経済統計の変化、鉱工業生産指数も

米国で29日に発表された第1四半期(1-3月)のGDP速報値 は前期比年率6.1%減少と、市場予想中央値(4.7%減)を下回った。 ただ項目別に見ると、個人消費がプラスに浮上、企業の在庫調整の進 展も見られ、今後の底入れを期待させる部分もあった。また、欧州連 合(EU)の欧州委員会が29日発表した4月のユーロ圏景況感指数 (速報値)は67.2と、11カ月ぶりに上昇した。

一方、取引開始前には経済産業省が3月の鉱工業生産指数(速報 値)を発表。同月の鉱工業生産は前月比1.6%上昇し、企業の在庫削減 の進展や輸出減少ペースの緩和を背景に、電子部品・デバイスや一般 機械などが生産の上昇に寄与した。同時に発表された4月の製造工業 生産予測指数は前月比4.3%上昇、5月は6.1%上昇となった。

日米欧の景気改善期待に加え、為替市場では対ドル、対ユーロで 28日と比べ円安展開となったことも重なり、トヨタ自動車やホンダ、 ソニー、京セラなど輸出関連株に資金が流入。TOPIXの上昇寄与 度には1位電機、2位輸送用機器と輸出関連が並んだ。

悪材料に抵抗力

国内外で好材料が重なり、この日の日本株は朝方から値を切り上 げ、日経平均は早々に米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物6 月物(円建て)の29日清算値8770円を上回り、351円高まで上げ幅 を広げた。午後に入ると、米自動車大手クライスラーの再建問題を巡 る報道が錯そうしたことをきっかけに、外国為替市場で円がやや強含 み、日本株も伸び悩む場面が見られたが、午後中ごろから持ち直した。

結局この日の高値圏で終了。金融市場の反応が冷静なところを見 て、「悪いニュースに対する抵抗力の強さがうかがえる」(丸三証券 の水野善四郎専務)との指摘も聞かれた。

28日には、午後に入って為替市場で円高が進行したことをきっか けに、自動車や電機など輸出株を中心に下げ幅を拡大。市場参加者の 間で当面の下値支持線と見られていた日経平均の25日移動平均線をあ っさりと割り込んだが、「この日の急反発で25日線を早々に回復し、 相場の上昇継続に期待をつないだ」(アイディーオー証券ディーリン グ部の菊池由文部長)。

東証1部の値上がり銘柄数は1378、値下がりは240、売買高は25 億1636万株、売買代金は1兆6717億円。

ホンダや資生堂急伸、新生銀とあおぞら銀が大幅安

個別では、今期の赤字回避に向けた会社側の姿勢を評価する声が アナリストらの間で上がったホンダ、前期利益が従来計画を上回った ファナックが大幅高。野村証券金融経済研究所が投資判断を「2(中 立)」に引き上げた川崎重工業、クレディ・スイス証券が投資判断を 「アウトパフォーム」に上げたマブチモーターも買いを集めた。

昼休み時間帯に決算を発表し、今期の連結営業利益の減少幅が事 前の市場予想に比べ軽微にとどまる見込みとなったクラレが午後に急 伸。午後に発表した決算で今期の増収増益計画を示した三菱地所、決 算と同時に自社株買いの実施を発表した資生堂も上げた。

新型インフルエンザについて、世界保健機構(WHO)が警戒水 準を「フェーズ5」に引き上げたことを受け、マスクを手掛けるシキ ボウが3日連続のストップ高。ダイワボウも連日の大幅高。大東紡織 やトーア紡コーポレーションなど低位繊維株に人気が波及、東証繊維 製品株指数は6.7%高で業種別指数の値上がり率1位となった。

半面、筆頭株主である米投資ファンドから統合計画について同意 が得られていないと、29日に時事通信で報じられた新生銀行とあおぞ ら銀行がともに大幅安。鋼材価格の低迷などで今期に大幅な最終赤字 に転落する見込みの日新製鋼、今期に6期連続の最終赤字に陥る見通 しとなったパイオニアも売り込まれた。午後に発表した前期決算で、 純利益が市場予想下回ったHOYAも安い。

新興3指数は高安まちまち

一方、国内新興市場では、ジャスダック指数が前日比0.61ポイン ト(1.5%)安の40.86と続落、東証マザーズ指数は同2.44ポイント (0.7%)高の344.55と小反発、大証ヘラクレス指数は同0.30ポイ ント(0.1%)安の490.15と小幅続落した。個別では、防じんマスク などを手掛ける重松製作所、興研がともに連日でストップ高。半面、 コスモスイニシアが急反落、スパークス・グループ、アイディーユー、 フィスコも売られた。

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