キヤノン:通期利益予想増額修正、経費削減と為替見直し(4)

デジタルカメラ世界最大手のキ ヤノンは30日、通期(2009年12月期)の連結純利益予想を 1100億円に上方修正した。経費削減の見通し額を上乗せしたほ か、為替の前提を円安方向に見直したことで従来予想の980億円 を上回る。アナリスト20人の予想中央値は845億円。

営業利益予想は1600億円から1800億円へ上方修正した。 第2四半期以降の為替前提は1ドル=95円(従来予想は90円)、 1ユーロ=125円(同120円)の円安方向に見直した。今期は広 告宣伝費、交通費など前期比で1720億円程度の経費削減を実 現できる見込み。期初計画を600億円上回る。

一方、売上高は先進国を中心に需要減少が続く複写機などの 事務機や、半導体露光装置市場が低迷している半導体機器部門 を中心に従来予想を下回ると見込み、従来の3兆5000億円から3 兆3300億円へ引き下げた。

東証で会見した大沢正宏常務は、法人向けの「事務機の回 復が想定以上に厳しい」とする一方で、各国の景気対策を含 め、個人消費には期待感を持っていると語り、デジカメなど で競争力のある製品投入を進める考えを示した。

1-3月連結純利益は83%減

同社は同時に、第1四半期(09年1-3月)の連結純利益(米 国会計基準)が前年同期比83%減の177億円、営業利益は同 88%減の200億円だったと発表した。キヤノンは四半期の予想を 出していないが、1月に東証で会見した大沢常務は、第1四半期の 営業損益について「赤字になる可能性もあるという厳しさを感じて いる」と語っていた。しかし、前年比で500億円の経費を削減、赤 字は回避した。

売上高は同32%減の6870億円。複写機は景気低迷が顧客 の本体買い替えや印刷枚数の節約につながり、本体・消耗品とも に想定を下回った。レーザープリンターは、OEM(相手先ブランド による生産)先の在庫圧縮の影響も受け、大幅な減収となった。

豚インフルエンザの影響について大沢常務は、3月ごろから景 気が若干改善したところにこうした事態になり、「メキシコは大きい 混乱状態にあるので心配している」と語った。同社のメキシコ駐在 員5人は単身赴任で、帰国を含めた今後の対応は「状況を見定め ながら考える」という。

キヤノンの株価終値は前営業日比170円(6.1%)高の2950 円。

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