日本株:輸出主導で急反発、米欧経済底入れ期待-鉱工業生産も好感

午前の東京株式相場は急反発。 米国で個人消費の改善が示され、欧州ではユーロ圏景況感指数が上昇 転換し、米欧経済の底入れ期待が広がった。外国為替相場が円安方向 に動いたことも好感され、輸出関連株を中心に幅広い業種、銘柄が上 昇。取引開始前に発表された3月の鉱工業生産指数が、前月比で6カ 月ぶりに上昇したことも買い材料視された。

日経平均株価の午前終値は前営業日比339円87銭(4%)高の 8833円64銭、TOPIXは同29.05ポイント(3.6%)高の841.04。

大和住銀投信投資顧問の窪田真之シニア・ファンド・マネジャーは、 世界景気が最悪期を脱したことを重視しており、「ことしは株式投資に 強気な姿勢で臨みたい」と話した。多くの企業決算会見に出席した中で、 経営者は口をそろえてあまり楽観的になることはできないと言うが、 「経営者自身も、最悪期は過ぎ去ったことを確信している」と見る。

米欧経済統計の変化、円は全面安に

米商務省は29日、第1四半期(1-3月)のGDP速報値を発 表。GDP自体は前期比年率6.1%減少と、市場予想中央値(4.7% 減)を下回ったが、項目別に見ると、個人消費がプラスに浮上、企業 の在庫調整の進展も見られ、今後の底入れを期待させる部分もあった。 また、29日の米FOMCの声明では、経済の縮小ペースが幾分か緩や かになったように見受けられる、との認識を示した。

一方、欧州連合(EU)の欧州委員会が29日発表した4月のユ ーロ圏景況感指数(速報値)は67.2と、2008年5月以来、11カ月ぶ りに上昇した。米欧の景気改善期待に加え、外為市場で対ドル、対ユ ーロで円高の展開となったことも重なり、トヨタ自動車やホンダ、ソ ニー、京セラなど輸出関連株に資金が流入。TOPIXの上昇寄与度 には1位電機、2位輸送用機器と輸出関連が並ぶ。

鉱工業生産指数は前月比1.6%上昇

取引開始前に、経済産業省は3月の鉱工業生産指数(速報値)を発 表した。同月の鉱工業生産は前月比1.6%上昇。昨年後半以降の世界的 な景気後退を受けた企業の在庫削減の進展や輸出減少ペースの緩和を背 景に、電子部品・デバイスや一般機械などが生産の上昇に寄与した。同 時に発表された4月の製造工業生産予測指数は前月比4.3%上昇、5月 は6.1%上昇となった。経産省は「生産は停滞している」と、前月の 「生産は急速に低下している」から判断を上方修正した。

悪材料に抵抗力

国内外の好材料が重なったことを受け、この日午前の日本株は朝 方から値を切り上げ、日経平均は早々に米シカゴ先物市場(CME) の日経平均先物6月物(円建て)の29日清算値8770円を上回り、 351円高まで上げ幅を広げる場面があった。丸三証券の水野善四郎専 務は、新型インフルエンザの警戒水準が引き上げられたにもかかわら ず、金融市場の反応が冷静なところを見ると、「悪いニュースに対す る抵抗力の強さがうかがえる」と指摘した。

ゴールデン・ウィークの谷間にあり、「低水準の売買が続くと予 想される中、好材料が出れば株価指数はするすると値を切り上げやす い状況にある」(水野氏)。新光証券エクイティ情報部の三浦豊シニ アテクニカルアナリストは、日経平均が8700円台前半に位置する 「25日移動平均線を上回る水準でこの日の取引を終えられれば、目先 の相場上昇基調が期待できる」と話していた。

東証1部の値上がり銘柄数は1502、値下がりは130、業種別33指 数はすべて上昇。売買高は11億5779万株、売買代金は7600億円。

ホンダやファナック急伸、日新鋼やパイオニア安い

個別では、今期(2010年3月期)の赤字回避に向けた会社側の姿 勢を評価する声がアナリストらの間で上がったホンダ、前期(09年3 月期)業績の利益が従来計画を上回ったファナックが大幅高。野村証 券金融経済研究所が投資判断を「2(中立)」に引き上げた川崎重工 業、クレディ・スイス証券が投資判断を「中立」に上げたマブチモー ターも買いを集めた。

このほか、豚インフルエンザから変異した新型インフルについて、 世界保健機構(WHO)が警戒水準を「フェーズ4」から「フェーズ 5」に引き上げたことを受け、マスクを手掛けるダイワボウは連日高 で、シキボウはストップ高買い気配。大東紡織やトーア紡コーポレー ションなど低位繊維株に人気が波及した。

半面、筆頭株主である米投資ファンドから統合計画について同意 が得られていないと、29日に時事通信で報じられた新生銀行とあおぞ ら銀行がともに売られた。鋼材需要の低迷による販売価格の低迷など で、今期(10年3月期)に大幅な最終赤字に転落する見込みの日新製 鋼は急落。今期は6期連続の最終赤字に陥るとの見通しを発表したパ イオニア、10年3月期の営業利益が前期比79%減と大幅に落ち込む 計画の大阪チタニウムテクノロジーズも大幅安。

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