債券相場は下落、内外景気に底入れ期待高まる-株高で先物中心に売り

債券相場は下落(利回りは上昇)。 米国では景気の底入れ期待を反映して株高、債券安となったほか、日本 でも鉱工業生産が堅調ぶりを示したことが材料視されており、国内株価 が大幅に反発するなか債券市場では先物中心に売り圧力が強まった。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、株価の上昇や 円安傾向など各市場が一昨日とは逆に動くなか、とりわけ債券相場は米 金利上昇に敏感に反応したと指摘。ただ「現物市場で投資家からの取引 は鈍く、先物主導の下げには限界もありそう」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月6月物は、28日の終値より41銭安い 136円89銭で開始。日経平均株価が水準を切り上げるなかで売りが膨 らむと、一時は136円60銭まで下げ幅を拡大させ、結局は60銭安の 136円70銭で引けた。午前の売買高は1兆5639億円。

先物6月物は28日の取引で予想以上の上昇となったが、その後の 米国市場の株高・債券安を受けて朝方から売りが先行した。

米国で29日に発表された1-3月の実質国内総生産(GDP、季 節調整済み)速報値は前期比年率6.1%減少したが、個人消費が過去2 年間で最高の伸びを示したことから景気の底入れ期待が高まった。これ を受けた米国市場はダウ工業株30種平均の終値が2月9日以来の高値 圏に到達したほか、米債市場では10年債利回りが一時は3.12%まで 上振れて、昨年11月26日以来の高い水準を記録した。

また、日本の3月の鉱工業生産指数は前月比1.6%上昇と、事前 の市場予想の同0.8%上昇を上回り、6カ月ぶりに上昇に転じたことも 債券市場で売り材料視された。先行きの予測指数も4月が4.3%上昇、 5月は6.1%上昇となっており、「鉱工業生産が足元・先行きともに強 かったことも債券には圧迫要因」(三井住友銀行の宇野大介チーフスト ラテジスト)とされた。

10年債利回り一時1.45%

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは、28日の終値より

2.5ベーシスポイント(bp)高い1.435%で始まり、その後も売りが 優勢となると一時は1.45%まで水準を切り上げた。

4月半ば以降には投資家から期間収益確保を狙った買いが入った ほか、月末接近に伴う保有債券の年限長期化需要もあったもようだが、 この日の取引でいったんは買いが一段落した。市場では「内外経済指標 に改善の兆しが出たことで景気に楽観的だった1週間前に戻った。10 年債の利回り1.4%付近では売りが出やすくなる」(岡三証券の坂東明 継シニアエコノミスト)との指摘が出ていた。

一方、日銀がこの日に開催する金融政策決定会合において、金融 政策は「現状維持」との見方が大勢を占める。ただ、市場の一部では長 期国債の買い入れ増額を予想する声があるため午後の決定を見極めよう との姿勢が強まる。また、日銀は同日に経済物価情勢の展望(展望リポ ート)を公表し、2010年度までの経済・物価見通しを示す。

--取材協力:関泰彦、池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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