東京外為:円が底堅く推移か、米自動車破たん警戒でリスク回避

東京外国為替市場では円が底堅く 推移しそうだ。米自動車大手クライスラーの再建計画提出期限を迎え、 破産法適用申請の可能性が警戒されるなか、投資リスクが取りづらく、 積極的に円から外貨に資金を振り向ける動きは見込みにくいためだ。

早朝の取引ではドル・円相場が1ドル=97円台半ばで推移。海外 市場では米国株の上昇を背景に一時、97円97銭まで円が売られる場 面も見られたが、引けにかけて株が伸び悩んだこともあり、その後は 円が下げ渋っている。

ユーロ・円相場も1ユーロ=129円台前半と、海外市場で付けた 約1週間半ぶり円安値、130円4銭から円が水準を切り上げている。

前日の海外市場では米国の1-3月期の実質国内総生産(GDP) は個人消費の増加や在庫投資の記録的な減少が先行きに対する好材料 と受け止められたほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)が声明で 経済収縮のペースが「幾分か穏やかになった」との認識を示したこと から、米経済の底入れ期待が強まった。

しかし、豚インフルエンザの流行拡大や米金融機関に対するスト レステスト(健全性審査)に対する懸念も根強く、日本株やアジア株 が伸び悩む展開となれば、リスク回避を目的に外貨を売って円を買い 戻す動きが強まる可能性もある。

クライスラー問題

オバマ米大統領は30日午前、クライスラーによる連邦破産法の適 用申請と、同社のイタリアのフィアットとの提携を発表する計画だ。 事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。同関係者の1人が匿名で 語ったところによれば、政府当局は依然として懸案解決に取り組んで おり、計画はまだ最終案ではない。複数の関係者は破産法適用申請が ある場合、早ければ30日中に行われる可能性があると述べた。

29日の米株式相場は米経済の底入れ期待から堅調に推移してい たが、クライスラーの報道を受け、引けにかけて上げ幅を縮小した。

また、豚インフルの感染が8カ国と全米11州に広がったことを受 け、世界保健機関(WHO)は29日、新型インフルエンザ警戒水準を 「フェーズ4」から「フェーズ5」に引き上げたと発表。世界景気へ の影響が懸念されるなか、市場ではリスク回避に伴う円買い戻しの動 きが再び強まる可能性がある。

一方、国内では日本銀行が金融政策決定会合を開き、半年に一度 の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。展望リポ ートでは、経済成長率、物価見通しとも1月の中間評価から下方修正 される可能性が高く、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の 面では積極的に円を買う理由に乏しいことがあらためて確認されそう だ。

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