4月29日の海外株式・債券・為替市場(2)

(米国株と米国債を最新版に差し替えます)

○米国株:米株式相場は上昇。アナリスト予想を上回った企業決算の 数が予想を下回ったものより圧倒的に多かったことから、市場の地合 いが明るくなった。このほか金融機関の損失は最悪期を過ぎたとの投 資家の見方も株式相場の支援材料だった。

アニメ映画制作会社、ドリーム・ワークス・アニメーションSK Gは急伸。28日の引け後に発表された同社の四半期利益はアナリス ト予想を上回った。この日四半期決算を発表したS&P500種採用企 業のうち、20社が予想を上回る業績を報告した。

金融のシティグループとバンク・オブ・アメリカ(BOA)も上 昇。フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラ ーが2004年以降初めて金融株の投資判断を引き上げたのが好感され た。

午後に入り、事情に詳しい複数の関係者の話として、オバマ米大 統領が自動車大手クライスラーの連邦破産法適用の申請計画を30日 に発表することが明らかになると、株式相場は一部値上がり分を削ら れた。

S&P500種株価指数は前日比18.48ポイント(2.16%)高の

873.64で終了。4月の月間ベースはこれまでに9.5%高と、2000年 3月以来で最高のパフォーマンスとなっている。ダウ工業株30種平 均は同168.78ドル(2.11%)上げて8185.73ドルで終えた。

ロバート・W.ベアード(テネシー州ナッシュビル)の首席投資 ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は、「景気の最悪局面は終わ りを迎えつつある可能性がある。この先はある程度安定期が続くだろ う。企業利益は長い間、低い水準で織り込まれていたため、予想外の 好結果となる余地が生じている」と語った。

四半期決算

これまで第1四半期決算を発表したS&P500種採用企業のうち、 アナリスト予想を上回った企業は68%だった。ブルームバーグのま とめたデータによると、昨年9月以来の高い比率となった。

ドリームワークスは大幅上昇。同社の1-3月期決算は一部項目 を除く利益が1株当たり68セントと、アナリスト予想を49%上回っ た。「マダガスカル2」の興行収入とホームビデオの売り上げが寄与 した。ゴールドマン・サックス・グループは同社の株式投資判断を 「ニュートラル(中立)」から「買い」に引き上げた。

タイヤメーカー大手、グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバーと エネルギーのヘスが上昇。両社の四半期決算は赤字が予想より小幅だ ったのが好感された。

メディア大手タイムワーナーも高い。同社の1-3月期決算は一 部項目を除くベースで1株当たり45セントの黒字。アナリスト予想 平均を13%上回った。

金融株ではBOAとシティがそれぞれ6.5%と8%上昇した。

ボルカー氏の発言

ボルカー元米連邦準備制度理事会(FRB)議長はこの日、ブル ームバーグテレビジョンとのインタビューで、「米経済は低い水準で 底入れしつつある」と指摘、追加的な景気対策は必要ないとの見解を 示した。ボルカー氏は米経済再生諮問会議の議長を務めている。

米商務省が発表した第1四半期(1-3月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率6.1%減少した。

ボルカー氏はGDP速報値について「予想していた」と語った上 で、住宅や設備投資、投資などの各種経済統計では落ち込み度合いの 減速が示されていると指摘した。同氏はさらに景気浮揚のための支出 がようやく経済に影響を与え始めたところだと続けた。

クレジットカード大手アメリカン・エキスプレスや自動車大手フ ォード・モーターなどの決算内容を手掛かりに、S&P500種は3月 9日以降これまでに29%上昇した。ガイトナー米財務長官が発表し た金融機関から最大1兆ドルの不良資産を買い取る計画がリセッショ ン(景気後退)脱却を早める一助になると受け止められたことも、S &P500種の支援材料となっている。

○米国債:米国債相場は続落。10年債利回りは5カ月ぶりの水準に 上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)が国債購入目標を維持 し、景気底入れの兆しを指摘したことが売りを誘った。

フェデレーテッド・インベスターズの債券市場ストラテジスト、 ジョゼフ・バレストリノ氏は「当局はすでに表明した目標を超えるよ うな規模では買い取りを実施しないだろう。市場は量的緩和の拡大を 望んでいたようだ」と述べた。

FOMCは3月18日の前回会合後に最大3000億ドルの国債購入 計画を発表。10年債利回りは同日に1962年以降で最大の低下を記録 した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時48分現在、10年債利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇して3.11%。一時は3.12%と 昨年11月26日以降の高水準を付けた。10年債(表面利率2.75%、 2019年2月償還)価格は21/32下げて97ちょうど。

30年債利回りは昨年11月19日以来で初めて4%を上抜けた。 一時は4.03%を付け、同時刻現在では6bp上昇の4.02%で推移し ている。2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.95%。

「政策温存」

債券ファンド大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の共同投資任者、ビル・グロス氏は当局が国債 や住宅ローン担保証券(MBS)の購入目標を引き上げなかったこと について「政策を温存した」と指摘した。

FOMCは過去1年余りで初めて景気の回復見通しを示した。住 宅価格は下落ペースが鈍化し、消費者信頼感は上昇、信用市場救済策 を効果を表している。

FOMCは声明で「経済の縮小継続を示しているものの、そのペ ースは幾分か緩やかになったように見受けられる」と指摘。「家計支 出は2失業と住宅資産の減少、厳格な融資条件により抑制されている ものの、安定化の兆しが見られる」と記述した。

マイナス成長続く

米商務省が発表した第1四半期(1-3月)の実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比年率6.1%減少した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は

4.7%減だった。2008年第4四半期(10-12月)は6.3%減少。

入札規模が過去最高に膨らむ半面、FRBによる国債購入が相場 を下支え、10年債利回りは3月19日以降、2.46-3.03%のレンジで 推移していた。過去5年の平均は4.23%。

失望売り

カリヨンの北米担当チーフエコノミスト、マイケル・キャリー氏 (ニューヨーク在勤)は「一部では当局がもっと積極的な姿勢を示し、 国債購入を増やすとの声があったが、われわれは予想していなかった。 前回会合で巨額の購入目標を表明し、これまでにほぼ740億ドルの国 債を買い入れており、その影響を見極める時間が必要だ」と語った。

FOMCは資産担保証券(ABS)購入向けへの融資のほか、米 国債やMBS買い入れで景気回復を図っている。

FRBは3月25日以降、13回の公開市場操作(オペ)で総額 737億4200万ドルを購入している。

プルデンシャル・インベストメントのチーフ債券投資ストラテジ スト、ロバート・ティップ氏は「国債供給が増え、社債や株式などリ スク資産をめぐる環境が改善する中、FRBが国債利回りの上昇に歯 止めを掛けたいのなら、国債買い入れプログラムを拡大する必要があ るのは明白だ」と述べた。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対円で上昇。上 げ幅は今月最大となった。米連邦準備連邦公開市場委員会(FOM C)がフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標ならびに、国債や 住宅ローン担保証券などの買い取り目標を維持したことがきっかけと なった。

ドルは一方、対ユーロで2週間ぶり安値まで下落。円は全面安の 展開となった。第1四半期(1-3月)のGDP(国内総生産)統計 で、在庫の記録的な減少が今年後半のプラス成長回帰の可能性を示唆 したことから、安全通貨としての需要が後退した。米国債相場はFO MC声明発表を受けて下落。10年債利回りは年初来の最高まで押し 上げられた。

ドイツ銀行のシニア通貨ストラテジスト、アダム・ボイトン氏 (ニューヨーク在勤)は、「米国債トレーダーの間では、FRBが量 的緩和の規模を拡大するのではないかとの見方が若干あった。だが、 FOMC声明発表ではそのような決定はなかったため、米国債利回り が押し上げられ、ドルの上昇につながった。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、ドルは対円で1ドル=97 円51銭(前日は同96円45銭)。一時は1.6%高と、日中取引とし ては3月31以来の大幅高となった。ドルは対ユーロでは0.9%安の 1ユーロ=1.3264ドル(前日は同1.3149ドル)。一時は同1.3340 ドルと、14日以来の安値を付けた。ユーロは対円では1.8%上昇し、 1ユーロ=129円11銭(前日は126円79銭)。

米国10年債の利回りは11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)上昇し、3.12%。前回3月18日のFOMC声明発表で、 FRBが金利を低水準に抑えるため最大3000億ドルの国債買い取り を決定した際には、同利回りは47bp低下した。

ドルは対円で上昇

ドルは対円で6営業日ぶりに上昇。日本の10年国債に対する同 米国債の上乗せ利回りは9bp拡大し、169bpと、3月17日以降で 最大となった。

UBSの通貨ストラテジスト、ベネディクト・ジャーマニエ氏 (コネティカット州スタンフォード在勤)は、「ドルの対円相場と利 回り格差には極めて強い相関がある」と指摘した。

FOMCは前2回の決定に続き、今回も政策金利であるFF金利 の誘導目標を0-0.25%の範囲とし、事実上のゼロ金利政策を長期に わたり継続する姿勢を再確認した。

FOMCが2日にわたる会合の後に発表した声明は「3月の前回 会合以降に入手した情報は、経済の縮小継続を示しているものの、そ のペースは幾分か緩やかになったように見受けられる」とし、景気底 入れへの兆候を指摘した。今回の声明はさらに、「経済見通しと金融 市場の状況の変化に合わせ、これら証券の購入時期と全般的な規模を 判断していく」と表明した。

3月のドル急落

ドルは3月18日、対ユーロで3.4%の大幅下落を記録した。F OMCが同日に声明で、期間の長い米国債を最大3000億ドル購入す ると発表したことで、ドル先安感が台頭した。

米商務省が29日に発表した第1四半期GDPは前期比年率

6.1%減と、2008年第4四半期(10-12月)の6.3%減に続き、大幅 減少となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの 予想中央値は4.7%減だった。

○英国債:英国債市場では、2年債相場が上昇。政策金利が記録的低 水準にとどまるとのダーリング英財務相の発言に反応した。

2年債利回りは約4カ月ぶり低水準に近づいた。ダーリング財務 相は29日、会議で財界首脳に対し、政策金利は「今後も低水準にと どまる公算が大きい」と語った。イングランド銀行(英中央銀行)は 先月5日、政策金利を0.5%に引き下げた。昨年10月以来の利下げ 幅は計4.5ポイントとなっている。

カリヨンの金利ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「長期にわたる低金利水準の見通しは国債相場にとって は支援材料だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、2年債利回りは前日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げ1.06%。同国債(表面利率

4.25%、2011年3月償還)価格は0.05ポイント上げ105.85。10年 債利回りは3.45%と、前日からほぼ変わらず。

○欧州債:欧州債市場では、ドイツ国債相場が終盤に反発した。来週 に予定されている米国債入札の発行額が一部の市場予測を下回ったこ とが材料視された。

ドイツ連邦銀行のウェーバー総裁が、同国経済がリセッション (景気後退)から脱する時期はまだ不透明だと発言したことも、相場 反発の一因だった。米商務省が29日発表した第1四半期(1-3 月)の米実質国内総生産(GDP)は前期比で年率6.1%減少し、市 場予想を上回る悪化となった。米財務省は同日、来週予定している四 半期定例入札の規模を710億ドルと発表した。

野村インターナショナルの債券ストラテジスト、ショーン・マロ ーニー氏は「米債発行額が一部で予想されたほど悪くないことで、欧 州国債市場にはある程度の安心感があった」と語った。

ロンドン時間午後5時半現在、10年債利回りは前日比2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.12%。同国債(表面 利率3.75%、2019年1月償還)価格は0.13ポイント上げ105.14。 2年債利回りは1.31%と、前日から1bp下げた。一時は1.37%ま で上昇した。

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