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携帯トイレに商品券、1000円高速と定額給付後のGWで景気回復?

世界的な景気後退で内需が急激に 落ち込む日本。高速料金1000円化で景気刺激をもくろむが心配される のが大渋滞。高速道路各社は携帯トイレにピーク時間帯以外の利用者 への商品券とあの手この手の対策を展開する。ゴールデンウィーク(G W)の高速道路が日本の景気回復のきっかけになるか?

「一番のきっかけは、やはり高速割引でしょうか」。GWに栃木か ら青森までのドライブ旅行を計画している永澤丈行さん(32)は、旅 行のきっかけについてこう話す。通常なら片道1万2050円かかる高速 料金も、連休中はわずか1000円。往復なら2万2100円が浮く計算だ。 永澤さんは、浮いたお金で「おいしいものや、珍しいものを食べたい」 と夢を膨らませる。

しかし、そういった永澤さんの期待に水を差しかねないのが渋滞 だ。3月28日に始まった高速道路の通行料金値下げは、定額給付金の 支給もあいまって行楽需要を押し上げ、GW中の渋滞は例年以上に悪 化する見通し。中日本高速道路など高速道路4社は、ゴールデンウィ ーク中に10キロメートル以上の渋滞の発生回数が、前年比1.7倍の 372回に増えると予測している。

西日本高速道路は、中国自動車道の宝塚東トンネルで5月2日に 約55キロメートルの渋滞発生を見込む。そのため、同社は周辺のサー ビスエリアなど3カ所で合計3000個の携帯トイレを配布する予定だ。

携帯トイレ配布は初の試み

同社広報担当の後藤由成氏によると、GWなどの混雑期に携帯ト イレを配布するのは初めて。宝塚東トンネル付近の渋滞は、発生が予 測されている全国の渋滞のなかで2番目に長く、昨年のピーク時を12 キロメートル上回りそうだ。

東名高速などを管理する中日本高速道路が連休中の渋滞解消の取 り組みとして打ち出したのが「東名GW渋滞減らし隊キャンペーン」。 事前に登録した利用者に渋滞予測情報をメールで配信するとともに、 最も混雑する日中の時間を避けて首都圏周辺の出口で東名高速を降り た利用者に、サービスエリアなど使用できる5000円分の商品券を抽選 で配る。

JTBが1969年以来毎年行っているゴールデンウィークの旅行 動向調査によると、高速道路料金の値下げや定額給付金が影響し、今 年の連休中の国内旅行人数は前年比2.9%増と2年ぶりに増加に転じ る見込みだ。

第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「高速料金の 引き下げ、定額給付金のほか、円高や燃油サーチャージの下落なども あり、今年のゴールデンウィーク中の旅行需要は高い。将来の見通し に不安があるなかで連休中の個人消費は盛り上がる見込みで、生産波 及効果は高い」と指摘する。永浜氏の試算では、連休中の旅行の増加 による個人消費は244億円引き上げられ、427億円の生産波及効果を 期待できるという。

ETC販売は6倍

高速料金値下げはETC(自動料金収受システム)を利用する普 通車に限られている。ETCを導入していなければ値下げのメリット を享受できないことから、カー用品大手オートバックスセブンでは、 3月のETC車載器の販売実績は前年同月比6倍。この影響で全体の 売上高は同5.2%増えた。

同社広報担当の小野田裕繁氏は「途中で売り切れになったことが 非常に残念」と肩を落とす。売り切れだとわかるとそのまま店舗を後 にする来店客が多く、「残念ながらETC需要増の相乗効果として、他 商品の売り上げも伸びたとは言い切れない」と明かした。

しかし、高速道路の1000円化のメリットは大きい。ドライバー全 体の走行距離が底上げされることで、タイヤやオイル、バッテリーな ど同社が得意とするカー用品の需要増が見込めるためだ。小野田氏は、 「こんなものが必要だったな、と連休のドライブ中に気づくことで店 舗に戻って来てもらえれば」と今後の商機に期待を寄せている。

ガソリン販売も増加

石油業界にも、ドライブ需要の盛り上がりでわずかながら薄日が 差し込んだ。石油元売り最大手新日本石油の中村雅仁常務は27日の定 例会見で、4月の週末のガソリン販売量は、ガソリン税の暫定税率失 効で需要が盛り上がった昨年4月と比較しても「3%前後伸びている」 と話した。高速料金値下げ直後の週末(3月28-29日)、同社のガソ リン販売量はその前の週末と比べ2割強伸びたという。

谷口正則さん(34)も、1000円化の始まる3月28日、高速道路 に乗ったドライバーの1人だ。夫人とともに、住んでいる静岡県焼津 市から東名高速、名神高速、山陽自動車道を走り瀬戸大橋(本州四国 連絡橋)を渡った。午前8時半、香川県坂出市のうどん屋にたどり着 くと「すでに駐車場は本州のナンバーを付けた車で埋まっていた」。

うどん屋をはしごし車中泊

四国でうどん屋やラーメンなど4軒を巡った後、車中で1泊し帰 途についた。連休中に青森までのドライブを予定している永澤さんと 谷口さんをつなぐキーワードは「車中泊」。高速料金値下げをしっかり 活用して余暇を楽しむ一方で、削れる出費はできるだけ削るという節 約のスタイルが浮かび上がる。前述のJTBの調査でも、国内旅行の 宿泊施設に「実家・知人宅」と回答したのは31.5%と、前年比3ポイ ント増加した。

谷口さんは「妻は乗り気ではないが、1000円化には2年間という 期限があるので、その間にこういった食べ歩きの旅を何度かやりたい」 という。2年の期間限定刺激策が景気回復の起爆剤になるかどうか、 GWの高速道路から目が離せない。

--取材協力:中山理夫、Editor:Takeshi Awaji,Hidekiyo Sakihama

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