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3月の鉱工業生産は6カ月ぶりに上昇か、コアCPIはマイナス圏へ

3月の日本の鉱工業生産指数は、 昨年後半以降の世界景気の急減速を受けた企業の大幅な在庫調整や輸 出減少の緩和を背景に、6カ月ぶりに上昇に転じる見通しだ。一方、 消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)は原材料価格の大幅な 下落などの影響により、1年6カ月ぶりにマイナスに転じる見込みだ。

経済産業省は30日、3月の鉱工業指数速報(季節調整済み、2005 年=100)を発表する。ブルームバーグ・ニュースによるエコノミスト 調査の予想中央値は前月比0.8%上昇、前年同月比34.7%低下となっ ている。ただし、鉄鋼業などで低水準の生産が続いていることなどか ら、前月比で6カ月連続の低下を予測するエコノミストもいる。

3月の貿易統計速報では、輸出額の減少率が縮小したことなどを 背景に、貿易収支は110億円の黒字となった。みずほ総合研究所は、 生産と関連性が高い輸出数量は季節調整済みの前月比7.9%増と8カ 月ぶりに増加したと試算している。国内では、15.4兆円に上る「経済 危機対策」の効果が7-9月期から出始め、09年度の実質GDP(国 内総生産)を1.9%程度押し上げると内閣府は試算している。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは、 「日本経済は曲がりなりにも底を打とうとしている」とし、「きっかけ は在庫削減とアジア向けを中心とした輸出の上方反転だ」と指摘する。 ただし、輸出については「これまでの落ち込みの激しさを考慮すれば、 一時的な自律反転に過ぎない」との見方も可能だとしている。

仮に3月の生産が小幅プラスに転じても、1-3月期では4四半 期連続のマイナスとなり、しかも四半期で最大の下落率となる公算が 大きい。昨年10-12月期は過去最大の前期比11.3%の低下だった。 生産は依然として低水準のままで、今後、上昇基調に乗るかどうかは 海外需要に依拠する部分が大きい。

経産省が先月発表した3月の製造工業生産予測指数は前月比

2.9%上昇、4月は3.1%上昇となっている。ドイツ証券シニアエコノ ミストの安達誠司氏は、「生産の『下げ止まり』の確認という意味では、 4、5月の製造工業予測指数に注目する必要がある」と指摘。その上 で、30日に発表される「5月の予測指数も前月比プラスであれば、生 産の底打ちの可能性がさらに高まったという解釈から、日本経済にと ってのポジティブサプライズになる可能性がある」とみている。

コアCPI、夏場にマイナス2%も

総務省は5月1日午前8時半、3月の消費者物価指数(除く生鮮 食品、コアCPI)を発表する。ブルームバーグ・ニュースが民間調 査機関28社を対象にまとめた予想中央値は前年同月比0.2%低下(前 月は横ばい)と、2007年9月以来1年6カ月ぶりのマイナスに転じる 見込み。4月の東京都区部コアCPIは同0.2%上昇と、前月(0.4% 上昇)から伸びが鈍化するとみられている。

コアCPIの伸び率は昨年8月、原油価格が前月1バレル=147 ドルと最高値を付けた影響などでプラス2.4%まで上昇。その後、急 速に鈍化し、ついにマイナス転落が濃厚となった。原材料価格が昨年 夏に高騰した反動に加え、景気の急速な悪化で物価に下落圧力がかか っており、夏場にはマイナス幅が2%超に一段と広がると予想されて いる。

昨年10-12月の実質GDP成長率はマイナス12.1%で、内閣府 によると総需要と供給力の乖離(かいり)を示す需給ギャップはマイ ナス4.1%(約20兆円)だった。三菱UFJ証券景気循環研究所の嶋 中雄二所長は、今年1-3月のGDPのデフレギャップは約40兆円と 前期の2倍に広がったと推計する。モルガン・スタンレー証券の佐藤 健裕チーフエコノミストは「夏場は前年の資源高騰の裏が出ることも あり、コアCPIは一時的にマイナス2%台半ばまで低下するだろう」 としている。

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