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豚インフルが日本直撃、株価急落や渡航自粛-「冷静に対応」と政府(3)

(5段落に政府の対応などを追加します)

【記者:松井 博司】

4月27日(ブルームバーグ):死者80人超のメキシコを中心に猛威 を振るっている豚インフルエンザが、日本を直撃している。感染者は確 認されていないが、旅行会社の株価を押し下げ、メキシコ出張を断念せ ざるを得ない企業も相次いだ。日本政府は検疫強化などの水際対策やワ クチンの製造の検討を始め、国民に冷静な対応を呼び掛けている。

27日の東京株式市場ではKNT(近畿日本ツーリスト)、エイチ・ アイ・エス(HIS)の株価が旅行キャンセルを懸念して1割前後値下 りした。日本航空、メキシコ便はない全日本空輸の株価までも5%近く 下がった。インフルエンザ治療薬「タミフル」を扱う中外製薬の株価は 逆にストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)の19%高まで急騰した。

KNTとHISは、メキシコシティがコースに含まれるツアーのキ ャンセルやツアー変更について、キャンセル料なしで応じる準備を始め ている。すでにJTBは26日、4、5月の大型連休中のメキシコツアー の中止に踏み切り、「27日から100人の予約客約に中止の連絡を始めた」 (広報室の三橋明子マネージャー)。

日本企業ではシャープやパナソニック、ソニー、ヤマハ発動機、ブ リヂストンや東芝が、社員に対しメキシコやメキシコ市への出張自粛を 指示した。トヨタ自動車は北米工場へのマスク発送準備を進めている。 日本航空は豚インフルエンザ問題では特別対策本部を設置、メキシコへ の支援者・救援物資の無償輸送を決定した。週2便運航しているバンク ーバー経由のメキシコ便は通常運航を続ける。

日本政府

商社も現地駐在員を通じた状況把握や情報収集を急いでいる。双日 は27日、加瀬豊社長を本部長とする対策本部を設置、情報を一元化して 迅速な対応に乗り出せるよう備える。グループ会社を含めた全社員にメ キシコへの出張禁止と不要不急の海外出張は避けるようにとの指示も出 した。住友商事もこの日、緊急案件を除いてメキシコへの出張は当面自 粛するよう社員に通知した。

河村建夫官房長官は27日朝、豚インフル対策への関係閣僚会合と臨 時閣議後の会見で対処方針を文書で発表した。ワクチン製造検討やウイ ルス国内侵入を防止するため、①検疫・入国検査の強化、空港における 広報活動の強化②メキシコなどから入国した感染者や感染した恐れのあ る人への適切な医療措置の実施-などの水際対策を実施する。

その上で国民には「警戒を強化すべき事態」との認識を示して、冷静 な対応を呼びかけた。農林水産省や厚生労働省、外務省はサイトで、豚 インフルの関連情報を随時更新している。

--取材協力 東京 小松哲也、松田潔社、林純子、広川高史、鈴木偉知郎 Editors : Eijiro Ueno, Keiichi Yamamura

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ: 東京 上野 英治郎 Eijiro Ueno +813-3201-8841 e.ueno@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ: 大久保 義人 Yoshito Okubo +813-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Peter Langan +813-3201-7241 plangan@bloomberg.net

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